28さい、ふゆやすみのしゅくだい (ページ1)

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『クリスマス前に出張から早めに帰ってきたと思ったら女連れ込んで浮気ってさ』

居酒屋のカウンター席で梅酒を飲みながら、隣の同僚に愚痴を吐き出す。

金曜日の夜、家に帰れば断捨離出来ていない元彼と同棲していた残骸。

「なんでこうも男運悪いのかねぇ」

隣で苦笑いをしながら一緒に焼酎を飲む私の同僚スンチョル。

大学生の時から4年付き合ってた彼氏は二股されて、私が浮気相手で。

その後いい雰囲気になった人は既婚者で、

今回の彼氏も浮気。
それも同棲している家にあげて熱い夜を過ごしていたようで。

『ほんとにねぇ、なんでなんだろうね』

SC「いい加減さぁ、いい男が近くにいるの気づきなよ」

『いい男って、あんた？』

SC「それ以外に誰がいんの？
わざわざ金曜日にお前の失恋クズ男話を聞いてやってるの」

『いや、それはそうなんですけどー…』

おつまみの枝豆を1つプチッとつまみながら、スンチョルはスンチョルじゃん。と心の中で呟いた。

…顔は確かにいい男なんだけどなぁ、なんでいい感じの女の子の1人や2人いないのかねぇ。

SC「俺ずーっと言ってたじゃん、それ多分ヤバい男なんじゃない？って」

『いや、本当にその通りで…』

SC「もう、いい加減もっといい男見てみなよ」

『…といいますと』

SC「俺にすればいいじゃん」

『は？』

いや、28歳アラサーで揶揄うのはよくないよ。つかあんたもアラサーだしな。

SC「この際だから言っちゃうけど、なんで俺いつもいつも好きな女のクズ男への惚気とか失恋話聞かされてる訳？」

『まって、スンチョル、まって、あんたまず私の事好きなの？！』

SC「はぁ？そこから？」

『そこからって…！…はぁ？！』

SC「おまえさぁ、好きじゃないのに酔っ払い女の介抱するか？毎回失恋話聞いてやるのか？2人で飯行くか？送ってやるのか？誕生日に地味に高いプレゼント渡すのか？」

いや、好きじゃないのにそんな事しないって。分かるか！！

『えぇ…いつからなの』

SC「いつから好きかって？さぁ、いつでしょうね」

『めんどくさいよ、あんたそれ』

SC「…うるせぇ」

耳赤い。スンチョル、一応あんたこんなウブだったんだね。
え、てかこれって何。告白なの？一応告白か？

SC「告白の答え、持ち帰れよ。宿題」

あ、一応告白なんだ。

『28歳になって冬休みの宿題？』

SC「28歳にもなって同期の男の好意に気づかない方が問題だろ」

『あっはい』