プリンスとわたし

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会社の中にあるカップで出てくるコーヒー販売機の前。


カフェモカ、いやカフェラテにするか？

さっきまで暖房ガンガンの部屋にいたからアイスがいいなぁって思ってたけど、廊下は極寒すぎてホットも捨て難い。


…カフェ、ラテにするか？




「何迷ってるの」




後ろからポンと背中を押されたと思えば




『ジス先輩、それにスンチョル先輩』

SC「俺のついで感なに、やだ！」

JS「あは、僕のついでだね」

SC「奢ってやろうと思ったのにさ」

『スンチョル先輩、それにジス先輩どうしたんですか？』

JS「スンチョル、大人げないよ？
Aちゃん、僕なら2杯奢ってあげる」




目の前でむくれてしまったスンチョル先輩。

自分がついでにされると2杯奢ると更に大人気なくなるジス先輩。





JS「僕達一応同期だからさっきまで昼一緒に食べに行ってたの」

SC「一応ってなんだよ、急に敵意出してきてさ」

JS「さっきまでジョンハンも居たんだけど、仕事の電話がかかってきてたから置いてきた」




置いてきたんだ…
3人でご飯行って1人置いてきたんだ…




SC「A、この前はありがとな。ジョンハンの話聞いてやってくれて」

『いや…一応ちゃんと話して解決させたかっただけなので…』

JS「あは、あの後日付変わるまで付き合わされたよ。次の日も仕事だったってのにさぁ」

SC「よく言うよ、ワイン1本飲んでたやつが」




そうだっけ？ととぼけたようなジス先輩はいつものようにアイスコーヒーのボタンを押した。

この人いつもこれ飲んでるよな、一年中。




SC「先輩としては仲良くしてやって。
あいつたまに厳しいかもって思われてた商談が思いのほか好条件でまとまると機嫌よくなって奢ってくれんのよ」

『ほー、いい事聞きました』




出てきたコーヒーをジスさんがとると、さっき入れたお札の余ったお金でもう一度ボタンを押した。




JS「この後会議あるんだ、そろそろ行かなきゃ。またね」

SC「また飯行こうな」



とあの2人は嵐のように居なくなった。
先輩がもう一度押したボタンで注文されたコーヒーがマシンから出てきた。



………私アメリカーノ飲めないけど。

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