plain ページ10
「あれ…まだいないっ？はぁ…」
結構走って着いたグラウンドには顕嵐君の姿はない。
今ついたので待ってますね、と打ち込んでから消す。
なんか、遊びで付き合ってるだけなのに本気にしちゃってバカみたいとか、思われてそ…
5分経っても、10分経っても。
顕嵐君は来なくて。
帰ろうかな、と思ってバックを覗くと
「あれ…」
「ピン留め……」
私がスクールバッグにいつも付けている黄色のパッチンは星型で、少し大きめ。
それは、私が今まで無い以上に愛した人からもらったもの。
「え、、落とした？」
普通なら、顕嵐君が来るまで待つんだろうけど。
顕嵐君のことなんて一気にどうでもよくなってしまって校舎へと走った。
「ない……ないっ…」
半分泣きながら来た道を戻る。
「大きいっから、すぐ分かるのにっ…やだよ…」
あの人と、私の…一番の思い出なのに…
「やだよっ……いや、だ……」
とめどなく溢れる涙。
教室まで戻ると、早苗の机の上に
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Aへ！
気付くかわかんないけどねー笑
私明日学校来れないの！
だから
Aの机の上置いといたらいたずらされちゃいそうで私の机に置いたんだけど、ヘーキだったかな？
LINEで言おうと思ったら充電切れちゃってね…苦笑
大事にしてるっぽかったから！
無くさないようにねー！！
早苗
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「さなえ…よかったぁ…」
机の上に置かれた一枚の紙切れを握りしめて
取れないようにしっかりとピン留めをバックにつける。
「あ、顕嵐君…」
忘れかけていた用事。
走ってる途中に、聞こえた声。
「顕嵐くん…？」
そっと除いたドアから見えたその姿は、キラキラとした笑顔で笑う、顕嵐くんだった。
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作者名：ぷぁ | 作成日時：2017年6月9日 9時
