稽古のお誘い ページ28
side 松葉
張り詰めた
冷たい空気が
研究室から消えた。
"互いを尊敬し合える"共同関係に
少しばかりは近付いただろうか,
以前よりも緊張が減った分
作業へ打ち込める時間が増え尚更いい兆しが見えた
より効率的に進んでいる。
松葉「何処の辺だったかな…。
確か…。特定の手順で…動かし,て…。
ちゅう,ちゅう…たあ,かいの…とう…っと…。」
そんな今日この頃,
僕は一旦珠世さん一行とは別行動。
自分の術の内の領域に久しく足を踏み入れ,
屋敷の戸棚を探索しある物を探しに来ていた。
僕だけの知識では半分も解明出来ずに,
保管した切りで居たけど…。
何か此研究で役に経つかもしれないそう思ったからだ。
松葉「あった…。
之も役立つかもしれないから取りに来て正解だね…
兎も角,良い状態で残っていて良かった…。
もう歳だし,開け方忘れているのかと思ったよ」←27歳
嗣遠家継承秘伝書を少し広い隊服裏の衣嚢に仕舞い
愈史郎さん作の短刀で液体を吸い取り移した。
茶々丸「にゃーお)スリスリ」
松葉「おや…待たせてごめんよ茶々丸くん)ナデナデ」
茶々丸「ゴロゴロ」
松葉「フフッ…血気術 水月鏡花 。
之で安心して戻れるよ,愈史郎さん達の元に頼んだよ」
茶々丸「にゃーご)スタスタ」
特に問題も無く無事に作業を片付けきれたし
茶々丸くんに預けきれたから大丈夫。
此処で長く過ごすのは久しぶりだね…。
静か過ぎて落ち着かない…。
自分の血気術空間から抜け出した僕は,
日が照る青空の下に傘を指し乍
遺骨もない弟の墓に手を合わせに行った。
傘を差す理由?
何とか陽光に順応したけど,
完全では無いから酷い火傷をするからだよ…。
松葉「ついで,ついでが癖がでしまったや…。
時間に余裕がある訳でもあるまいのに…。」
術によっては反動が来る。
暫く使えないから,座標付近迄歩くしか無い…。
鴉(嗣遠)「御久シュウ御座イマス主殿。
物騒デスヨ宛無ク歩カレルノハ,
デモ本日ハ大変御日柄モ良イカラ致シ方無イカ?」
松葉「鬼武丸。
遮那の真似の心算だろうけど似てないよ。
手紙では無いみたいだけど…何用かい?」
鴉(嗣遠)「マァマァソンナ事言ワナイデヨ。
水柱…冨岡義勇殿カラ柱稽古ノ御誘イダヨ。是ガ非ハ君ニ委ネルネ」
松葉「…冨岡義勇くんかぁ…。
そういう質じゃ無さそうだったけど…
…うん,案内を頼めるかな。」
鴉(嗣遠)「ハァイ〜コッチダヨ〜」
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作者名:あいぞめ | 作成日時:2020年2月26日 0時