根気強く取り組む ページ23
side 炭治郎
義勇さんからは，
悔しい様な，悲しい様な…
そんな事匂いが複雑に混じって居た。
炭治郎｢義勇さん……｣
ずんずんと進んでいく義勇さんの背中は，
段々と小さくなっていく。
俺はそんな背中を見詰める事しか出来なかった。
"根気強く話をしてやってほしい"
そんな時お館様とAの言葉を思い出した。
拳にはぐっと力がこもる。
炭治郎｢はい！｣
自分を奮い立たせる様に気合いを込めて，
大きな声其の言葉に返事をした。
その翌日から…
炭治郎｢義勇さん!!｣
冨岡｢!?!?｣
昼夜問わず，義勇さんに付き纏い話し掛けまくる事で
其れを実行した。
炭治郎｢どうしましたか，義勇さん!!｣
冨岡｢……。)ﾀﾞｯ｣
逃げられても，追い掛けて…!!
ひたすら話しかけまくる!!
side 松葉
根気強く食らいついてくる所…そっくりだなぁ…
｢…( 鬱積ノ刻 秋津の渡り)｣
松葉｢！(彼岸の呼吸 壱ノ型 天人五衰)｣
｢！(来る…！)｣
ﾋﾞｭﾝ
当てる心算で奮った刃は風を斬る。
松葉｢…！わぁ…！A!!！
良く今の太刀筋を読んだね！
避けられるとは思って居なかったよぉ！｣
鴉(継語)｢確ﾘ汗ｦ拭ｶﾚﾛA様ｻｧ主殿ﾓ｣
｢ありがとう。｣
松葉｢うん，ありがとう遮那。｣
遮那から受け取った手拭いで汗を拭い乍振り返る。
本当に驚いた…清竹と打ち合っているみたいだった…
此子の前で稽古した数なんて…
片手で数え切れる程度の事だったのに…
松葉｢先刻の型…よく見ていたんだね｣
｢！(”次の型は凄く格好良いと思うぞ妹よ。
よく見ていろ 廸の呼吸 伍ノ型 秋津の渡り”
…そうだ。先刻の型は清竹兄さんの…)｣
清竹は，よく妹の面倒を見乍鍛錬していたから…
あの子の技はきっとAの呼吸の原型だ…。
弟も…妹も…僕の見てない内に…
松葉｢強くて可愛いなんてAは最強だねぇ｣
｢？｣
松葉｢其れにほら…)ﾎﾟﾑｯ
背も大分伸びた事だ…。)ﾖｼﾖｼ
動体視力も剣術も呼吸も努力の賜物だね。
Aは，凄いね！兄さん吃驚したよ…)ﾆｺｯ
そろそろ水柱くんの所に戻ってもi)｣
｢(何だろう…変な感じだなぁ…
義勇さま達と居る時みたいに…温k))ｷｭﾙﾙﾙﾙ…｣
松葉｢おや…｣
｢…すいません。｣
松葉｢ﾌｯ…ﾌﾌwｱﾊﾊｯ先ず御飯にしようか！
何か簡単な物でも一緒に作ろう！厨は向こうだよ｣
｢は，はい。｣
A…僕は，
これから戦で死に逝く前に
少しでも時間を共有出来て本当に良かった…。
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作者名：あいぞめ | 作成日時：2020年2月26日 0時
