喧し豚と言われたい 【宮侑】

25 素直になれない君 ページ25

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私は鈍感では無い
逆に敏感である


恋愛においてもそうだと思ってた



まさか



『角名くん…えっと、』


「ふふふっ困った？」


『こ、＿＿＿困った…』


「知ってる」




笑っている角名くんは笑ってるのに少し悲しそうで
「困ると思った」なんて言ってる始末



『い、いつから…？』



「1年の夏前」



『あの時＿＿＿』



「うん、一緒に帰ったあの日から」




まったく気づかなかった
ただの"クラスメイト"だとしか



『ごめん…』


「謝らないで。別に謝って欲しいわけじゃない」


『…うん』



「侑の"顔"が好きって言われた時もう俺には無理だなって思った」


『…っ』



角名くんは私の目を見ず、どこか遠くの方を見ていた



「でも気持ちは伝えたくてね」



あ、やっと目が合った



『うん…』


「ごめんね。好きだったよAさん」



相変わらず呼び方は"Aさん"
角名くんらしい


角名くんはそう言いながら私の頭を撫でた



『うん、ごめんね…』


「…っふふ」



また悲しいような嬉しいような笑い方をする角名くん



「だからって言うと違うけど＿＿Aさんには素直になって欲しいな」


『素直？』


「侑に対しての思い」


『…っ、うん』



そうだ、私が【好き】なのは…





「これからはいつも通り"友達"としてよろしく」


『よろしく！ありがとうね。角名くん』





これからも友達





「じゃあね〜」


『うん、バイバイ』




角名くんと別れ家の方向へ向かう
やけにその道が長く感じたのは気のせいだろうか







…










「俺なにしてんだろ。助言なんてしちゃって



＿＿＿＿馬鹿かよ」





素直になれないのはどっちだよ




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