バレてますよ及川先輩【HQ】

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「Aちゃーん…Aちゃん」


『…』



遠くの方で及川先輩が呼んでる声が聞こえる


でも、今の状態で及川先輩と話すとやばい




「A、ここなんだが…」


『はい』



代わりに岩泉先輩が来るようになった
岩泉先輩も少し面倒くさそう



「…あいつどうにかしてくれ」


『え、』


「お前にかまってもらえなくてうるさいんだ」


『別に今までもかまってるわけじゃありません』


「はぁ…」



ため息をつく岩泉先輩
今後も多分及川先輩と話すことはなく






バレー部は春高に向けて活動するようになった






部員みんなメラメラと心を燃やしバレーに勤しんでいる

私も及川先輩のことを気にならないくらいに
バレーに燃えていた





そしたら



「Aちゃん、これ」


『はい、ありがとうございます』




自然と及川先輩と目が合うようになり
話せるようになった



まだ、帰りは一緒に帰れない
意識しすぎて何話していいか分かんないから



そんなある日




寒い寒い中私は裏庭に呼び出された

クラスメイトである男の子から




『えっと、何か用かな』



分かりきってる
この雰囲気

相手の赤い頬



【告白】だ




「前からAさんのこと、気になってて」


『うん』


「好きです。僕と付き合ってください」




どこにでもあるただの告白

望んでいた告白じゃないものの
嬉しいとは思う



『うん、告白は嬉しいんだけどさ』


「…うん」



彼も察したのか少しだけ落ち込んでいるように見えた



『私、好きな人いるから』


「え、」



私がどのように断るか彼の中で想像していたに違いない
けど、私は予想外のことを言い
彼を困惑させた



『うん、そういうことだから』


「ちょ、」



相手を聞かれるとめんどいから
その場から離れる





＿＿＿＿＿





｢えっ、好きな人…？｣



その告白を聞いていた人物がいたなんて想像もせずに




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