鉄仮面な彼との共同生活 【3】

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「＿ん。Aさん、着きましたよ」





『……ぁ、、寝ちゃってました…。』










目を開けると、





車の周りには大きな木で覆われていた











『森、ですか？』






「ここから降りて、ちょっと歩きます」






『了解です！』












車から出て、少し歩いたところに






上へ続く階段があった











しかし登ってみると





その階段が長くて結構キツい














登山しているのか？






やっぱり服装間違えたかな？







なんて思っていると、






目の前にヒラヒラと1枚の花びらが舞った









花なんて何処にも咲いてないのに、





むしろ周りは木々ばかりなのに何でだろう？






黙々と登っているとやっと終わりが見えてきた









尚さんが1歩前にいて先に登りきると





後ろを振り返って、私に手を差し伸べてきた










『あ、ありがとうございます！』









手を差し出すと





さっきよりも楽に最後の1段を登りきれた














そして目の前に現れた景色












『…わっ、、！！！』











視界いっぱいに映る色とりどりなお花畑と





街を一望できる景色に言葉を失った












『綺麗ですね！！』






「はい」








『尚さんがこんな素敵な場所を知ってたとは、




意外です、！』









「…ここは、母と一緒に出かけた





唯一の場所なんです。」











尚さんのお母さんって、確か…。











「私が幼いころに亡くなりましたが、





この場所はどんなに時が進んでも





忘れることのない大切な場所です。」












すると尚さんの言葉に応えるかのように





さーっと優しい風が吹いた













『そのことを聞いて、




きっとお母さん喜んでますよ！』








「だといいんですけどね」











お花畑には可愛らしい花から






街では見たことがないような花まで






綺麗に咲き誇っていて







その周りに楽しそうに羽ばたく蝶々を見て、






ほっこりしていた










お花と蝶々を見ることに夢中になっていると





気がつけば隣にいた尚さんがいなくなっていた

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