鉄仮面な彼との共同生活 【3】

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『これ、



傷跡残っちゃいますかね…？』







「ケアをしっかりすれば大丈夫だと思います」






『掌も腕も、見えるから嫌なんですよね…。



うわっ、掌の方が酷いですね…。』







ガーゼが剥がされ、傷とのご対面







そりゃ、あんな刃のところを




ガッツリ持っちゃったからな………。









“ ハハハッ！！！お前バカだなぁ！！ ”








“ 私はっ、、まだまだ、



たくさんの人の助けとなりたいっ！




大好きなチームと大好きな人と




一緒にっ、！！！ ”









ふとあの時の全ての光景が





フラッシュバックした











犯人の顔、




赤く染まりつつある刃







私は、怖かったんだ










「＿＿ん。Aさん！」





『あぁ、ごめんなさい！』





「思い出してしまいましたか」





『え？ち、違いますよ！』





「嘘つかないでください。泣いてますよ」





『……へ？』







傷を負っていない方の手で、





自分の顔に触れると一筋の涙を流していた








その様子を見た尚さんは




再び手を動かしながら口を開いて話し始めた







「へッドセットから聞こえてきた貴女の声に、



何が起きていたのか全然わからなかった。





いざ、男の子の前で




腕に傷を負った貴女を見て、




初めて怖くなったんです。」





「家に帰ると毎日必ず迎えてくれること、





貴女の作る温かい料理、




貴女との何気ない会話、





共同生活をする前の生活がどんなのだったか、




覚えてないくらい貴女と一緒に過ごす日々は




これまで以上に楽しくて



私の周りにも色彩がつく」






『なんですか、改まって！』








パッと尚さんと目を合わせると




真面目で何処か張り詰めている目をしていた

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