鉄仮面な彼との共同生活 【3】

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そして時が流れ、




TOKYO MERが試験運用に入る3ヶ月前








〈 お手元の資料をご覧下さい。



こちらがTOKYO MERのメンバーとなる



8名の隊員です。 〉







MERについて最終調整となる会議が




都庁の中で行われた








初めてMERのメンバーがお披露目となった今、




自分を含めた8人の名が並んでいた







資料に載っている一人一人を見ていく中で




周りはチーフドクターの喜多見幸太について、





東京海浜病院の医師ではなく、




あまり名を知られていない医師であったため




疑問を感じていた







疑問を感じたのは自分も一緒だったが、




その後に見た “ 小日向 A ” というところに




ふと目に留まった








“ 救命看護師になって



患者さんを助けたい、支えたい、



自分に誇りを持ちたいんです。 ”








2年前、そう言っていた彼女が




夢を叶える第1歩として





MERのメンバーに選ばれていたことに




じんわりと心が満たされていくのを感じた

















「本日付けでMERに配属となった



厚生労働省医系技官の音羽尚と言います。」





ミン「医系技官っテ？」





夏梅「医師免許を持った国家公務員、



いわゆる官僚。」




ミン「へぇ〜。」




『え？？？ じゃあ、偉い方！？！？』








小日向 Aさん、




見つけた






あの時と同じようなことを言ってる






バチッと目が合うと、






『し、失礼しました！！』






とペコペコと頭を下げながら




申し訳なさそうな顔を見せた









発言といい、行動といい、





2年前とあまり変わってなくて、





喜多見チーフの行動に




注意しようとしたのにも関わらず、




クスッと笑いそうになってしまった
















『＿＿い。おーい、尚さーん！』






「……っは、い。」







そんなことを思っている間に





貴女は自分の顔の前で手を上下に振って、





様子を伺っていた






『大丈夫ですか？？ご飯出来ましたよ！』








彼女は





あの時と変わらず花が咲いたように微笑んだ








この笑顔に自分は弱いんだろうな





この笑顔を見る度に胸がきゅーっと苦しくなる








振り返った今、




2年前からAさんのことをずっと




＿＿＿＿＿＿＿＿ かもしれない。

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