鉄仮面な彼との共同生活

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何度も何度も行っていくうちに

緊張が解けて、

何も迷うことなく出来るようになった







しかし、これは練習用だからと思って

安心してしまっている自分もいて、


実際に誰かの腕でやるとなると

やっぱり不安な気持ちが大きく膨れ上がる












「私の腕で良ければ貸しますよ」






『……ん？

………えぇ！？いたんですか！？』








一瞬、尚さんの声が聞こえたが

幻聴かと思いきや、


2階にある椅子に腰かけて

机の上でパソコンを開いていた尚さんがいた







誰もいないように見えていたけれど、

2階の方までは見ていなかったから

もしかしたらずっと居たのかも……。







『……いやー、

音羽先生に申し訳ないと言いますか……。』





「練習用でずっと練習してても

意味がありません。


実際の腕で練習しないと

いつまで経っても克服できませんよ」





『……でも、、』





「いつも遅くまで

看護学に励んで、現場で活かす。


現場で学んだことは

改めて復習して知識を蓄える。



出来なかったことは知識的にも技術的にも

もう一度見つめ直す。




あなたがいつもやっていることです。


こうやって何度も困難を

乗り越えてきたんでしょ」








尚さんにそこまで見られていたとは

知らなかった…。






よし、



頑張ろう、



私ならできる！








『尚さん、腕を貸してください！』



「はい」





採血セットを持って２階にいる尚さんに近づく

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