_ 生々流転 _ ページ40
炭治郎side
ピン、と張りつめた糸が更にキツく締まり、Aと禰豆子の身体を引き裂く。
糸を伝いその血はAへと辿り着きぽたりぽたり、Aの頬を伝い地面へと滴り落ちる。
鬼ではないAを禰豆子と同じようにしてしまうと死に至る。そう思ったのか、累はAに絡まる糸を少し緩めた。
「＿＿やめろ！！！」
俺は...二人の悲痛な叫びを聞くだけなんて耐えられない。
「あいつの兄はもう僕だ。いつまでも喚き立てるな。お前の近くにいる僕の姉を少しは見習ったらどうだ。」
＿＿違う、
Aはお前なんかの姉じゃない。
禰豆子は俺の妹だ。
湧き上がる怒りが抑えられない。
『炭治郎...っ、怒りに流されちゃダメ...！』
「...っ...、！！」
…怒りに流されちゃた駄目だ、
Aにまた、叱られるぞ。
落ち着け。冷静になれ。
感情のままに動くな。
このままずっと、相手の思うがままにさせてはいけない。
「...、」
「...ん？気を失った...？眠ったのか。独特な気配の鬼だな。僕たちとは何か違うような...面白い。」
眠りに落ちた禰豆子を不思議そうに見つめる累。
...集中しろ、
最も精度の高い最後の型を繰り出せ！！
「＿＿＿全集中！！
水の呼吸・拾ノ型 "生生流転"！！｣
技を繰り出し、
一気に累への距離を詰める炭治郎。
「...無駄なことだってまだ分からないの？」
累も、炭治郎へと糸を放つ。
しかし糸は、回転しつつ龍のようにうねる攻撃に1回転目よりも、2回転目と威力の増す連撃技によって今まで斬ることすらできなかった累の糸を見事に斬り裂いた。
まだ、まだいけると、確信したその時。
「＿＿ねぇ。糸の強度はこれが限界だと思ってるの？
＿＿＿＿血鬼術・"刻糸牢"｣
今までの糸と、明らかに威力の違う糸が牢獄のように炭治郎を覆う。
「...もういいよ。お前は。さよなら。」
累が糸を繋ぐ手を後ろに引けば覆われた糸が一気に迫り来る。
...ダメだ...っ
この、糸は斬れない。
まだ、回転が足りない。
さっきの糸とはまるで違う匂いだ。
＿＿絶対、負けるわけにはいかないのに...っ。
死ぬ...
負ける！！
＿＿死...
数々の思い出が
炭治郎の目に映し出される。
最後に見た、花畑でのAの笑顔。
「"＿＿＿＿＿炭治郎！！"｣
＿＿ドクンｯ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華鈴(プロフ) - 佐々木ゆやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…（ ; ; ）こんな私の語彙力で宜しければ全て差し上げます((( そしてご指摘ありがとうございます完全に私のミスでございますッ！！只今修正致しました＾＾！！ 今後ともよろしくお願いします┏● (2020年10月21日 21時) (
レス) id: f0401eab42 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木ゆや(プロフ) - すみません、！コメント失礼しますね！こちらの作品すごく面白いです！いや、語彙力分けてくだs(((_ 守り、助ける _のところなんですが、「太子」になってますよ！「隊士」ですかね、、？間違えてたらすみません！() (2020年10月21日 17時) (レス) id: 5de5027b70 (このIDを非表示/違反報告)
華鈴(プロフ) - 莉菜さん» ご指摘ありがとうございます！完全に作者のミスです（ ; ; ）気をつけます…！ありがとうございます＾＾！ (2020年10月14日 21時) (レス) id: f0401eab42 (このIDを非表示/違反報告)
莉菜 - 修正お願いしたいところがあります。富岡という字の「富」は、「冨」です。紛らわしいですよね、，，。それと、この作品を最近たくさん見ています。この投稿の�イ泙埜�させていただきました。更新を毎日毎日楽しみに来ています。更新頑張ってくださいね！がんばれっ！！ (2020年10月14日 20時) (レス) id: 5ef1823fc7 (このIDを非表示/違反報告)
華鈴(プロフ) - 麗さん» ご指摘ありがとうございます！！ただ今修正しました！ (2020年10月12日 19時) (レス) id: f0401eab42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華鈴 | 作成日時：2020年6月11日 18時
