【テニスの王子様】ちょっとドジな生徒会長【立海】

ドジ40 ページ43

明日から３日間、私はいつもの5倍いきいきとして家を出るんだろうな…と思いつつ彼らとお喋りをする。
…あれ、もうこんなとこまで来たのか…早いな。
楽しい時間はあっという間だ。

貴『あの、私はそろそろこの辺で…楽しかったです、ありがとうございました！』

仁「送ってくナリ。」

貴『え、だ、大丈夫ですよ！』

仁「いーからいーから。」

幸「ふふ…仁王、しっかりと送り届けるんだよ。」

ピヨッと不思議な返事をして私を引っ張っていく仁王さん。
後ろを振り返り、皆さんに手を振りつつ彼についていく。
あ、やばい転ける。

貴『おわっ…』

仁「っと、すまんすまん。」

貴『…あっ、すみません！』

どうやら仁王さんに抱き止められたらしい、助かった。
部活終わりで疲れてるのに負担をかけるなA、しっかりしなさい。

仁「のぅ、A。」

貴『なんですか？』

仁「Aも俺のこと名前で呼びんしゃい。」

貴『へっ？』

ほれ、と催促する彼に困惑しつつも雅治さんと名前を呼ぶ。
少しだけ嬉しそうな顔をしたのは気のせいだろうか。

貴『…名前で呼ばれるの好きなんですか？』

仁「んー、おまんだからぜよ。」

貴『？？そうですか……？じゃあこれから沢山呼びますね！雅治さん！』

仁「…はぁ……狙って…なんて器用なことできんか、Aは。」

な、なんか失礼なこと言われた気がする……。
確かにドジだし不器用ですけど……。
…あ、そうだ。

貴『雅治さん。』

仁「ん？」

貴『私もプリクラ貼ったんですよ、ほら。』

さっき彼に仕返ししてやろうと決心した。
そう、その仕返しを…彼をからかうなら今だ、(多分)今しかない。
カバーを外し、ちょっとドヤ顔をして例のプリクラを見せつける。

仁「ほぉ、気に入ったんか。」

貴『ち、ちが……そうですよ！色んな人に彼氏って言い回ってます。』

もちろん嘘だ、そんな恥ずかしいし恐れ多いこと言えるわけがない。
流石にこれは彼も焦るだろうと思いちらりと見るといつも通りの表情。
あれ…反応うっすいな。

仁「じゃあ俺も明日からあいつらに彼女って言い回るか。」

貴『え、あ、あいつらって……』

仁「レギュラー。」

貴『や、やめてくださいお願いします今のは冗談です。』

ち、ちくしょう…強い。
くつくつと笑う彼に、私にいつか勝てる日が来るのだろうかと恨めしそうに彼を見ながらそんなことを思う。

仁「おそろぜよ。」

貴『……ふふ、そうですね。』

ま、今はいいや。

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