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阿「翔太は学年で一番頭悪いからね」
渡「ちょ、阿部ちゃんそこまで言わなくてよくない?」
おいおいおい、頭が悪くて素行もあそこまで悪いのって…その明るさが上に登り詰めるカギなんだな、きっと。
と、まぁそんな感じで出会ったのだ。
そこからはまぁ酷かった。
渡「俺ん家で勉強会しよ!」
『は?勉強会?』
佐「しょ、翔太…それ絶対しないやつだよね…」
渡「いやいやするって!阿部ちゃんもAもいるし!」
とは言うものの、その日は結局ゲームをして終わった。
『…ねぇ、勉強は?』
ピコピコとゲーム音が響く中、翔太の前に立ってそう問う。
「Aは真面目だねぇ」
渡「なんだよ、楽しいんだからいいじゃん。頭使ってんだよ!」
『屁理屈って言うんですけど』
テレビの前に立って翔太を睨みつけると、負けじと睨み返してきた。
阿「まーた睨み合ってるよ」
「じゃあ今日はゲームする日にしてさ、明日は勉強する日にしたら?」
渡「おー、ふっか天才!」
「だろぉ?」
『……はぁ』
「ほら」
と、コントローラーを渡される。
まぁ、阿部ちゃん、さっくん、翔太と私という、謎のいつものメンツが出来上がってしまったのであった。
この四人は固定で、女子のメンツが増えたり減ったり、それぞれの仲良い人がたまに来たり。
翔太のせいで"頭がいい"ということを広められた私は、テスト前になるとよく机に集まってはテスト傾向の問題を聞かれた。
特に翔太に勉強を教えるのは大変で、本当に誰よりも粘り強く教えた…記憶がある。
渡「まーた俺怒られたよ…」
そう言って、職員室から戻ってきた翔太が、私の後ろの席にどかっと座ることがよくあった。
遅刻は多いわ髪は染めるわで、やんちゃ者で。
でも、手をつけられないほどの不良ではなかったと思う。ちょっと騒いだり、他の男子と揉めたりはあったけど。
まぁそのせいで、いじめの主犯に仕立てられたりすることもあったわけで。
情が湧いたのか、私は阿部ちゃん達と協力して先生たちに反抗したりもした。
私の人生の中で、一番色付いた時期だったと思う。
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作者名:みたらし | 作成日時:2023年8月8日 19時