夢小説【スタマイ】 (ページ5)

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来世1【由井孝太郎】ページ5

※死ネタ
※来世ネタ

「孝太郎さん！やめてください！」

荒らげた声も虚しく、
彼は銃弾に撃ち抜かれ
地面に体を叩きつけられた。

「………っ！」

最後に見た孝太郎さんは
よかったと口を
動かしていたのが分かった。

………………………………………………………………

「…Aちゃんのせい、じゃないよ。」

夏目くんにそう言われたが、
誰のせいなんてことじゃない。
落ち込んでるなんてものじゃない。

先日、麻薬の取引の潜入捜査があった。
無事に捕まえ手錠をかけたが、
まだ仲間がいたことに気づかなかった。
後頭部にピストルを当てられ
動けなくなった私を助けてくれたのは
やっぱり孝太郎さんで。
私の為に、身代わりに。
亡くなってしまうなんて。

「……関さん、受け取って
いただきたいんです。」

それはずっと前から
決めていたことだった。
孝太郎さんと付き合ったあの日から。

「…お前の意志を尊重したくない。」

「そんなのおかしいです。」

「…君は薬効体質で………。」

「っ…それに！気付いてくれたのは！
孝太郎さんなんです！
彼がいなかったら私、私……！」

思わず大声を上げてしまった。

「…すみません。でも、
もう決心してるんです。
揺らがないんです。」

辞任書。
この封筒を関さんが受け取って
くれれば全てが終わる。

孝太郎さんが居なくなった今、
私はマトリをやめる。

「…Aさん、本気…なんですね。」

今大路さんが苦しそうに見つめる。

「はぁ…貸せ。」

大切な仲間に惜しまれながら、
私は現職を失ったのだった。