夢小説【スタマイ】 (ページ11)

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蒲公英【宮瀬豪】ページ11

「Aさんって本当に
笑顔が素敵ですよね。」

九条家の庭の水やりをしていると
豪さんにそんなことを言われた。

「えっ、なんですか急に。
褒めても何もでないですよ。」

「やだな。そういうのではなく、
Aさんの笑顔には力が
あるってことです。」

俺もその笑顔に助けられましたから。
にっこりとそういう彼の笑顔の方が
何億倍も力があって心臓に悪い。

「あ、じゃあ私の笑顔。
お花に例えたらなんですか？」

広い庭を2人で水やりしながら話す。
目の前にはたくさんの花が咲いてる訳で。

この中のどれが私なんだろうかと
聞いてみたくなった。

「あぁ、それはもうずっと前から
思ってる花があるんです。
Aさんってなんだか
蒲公英みたいだなって。」

「たんぽぽ？」

あれだよね。アスファルトの隙間とかから
生えてるやつ。黄色いやつ。
よく見かけるけれど上品とは少し
かけ離れているような。

「あれ、おかしいな。
お気に召しませんでしたか？」

「あぁ、えっと嫌ではないんですけど…。」

「…ふふ、Aさんは蒲公英の
花言葉をご存知ですか？」

そういえばあまり考えたことないかも。
日常的に目にするのに、
買った花言葉辞典でも開いたことは無かった。

「なんて花言葉なんですか？」

「…あぁ、本当に知らないのか。
…なら、内緒ですね。」

「えっ、なんでですか！
教えてくださいよ！」

豪さんは口元に人差し指をあて、
また調べて見てくださいと笑った。

「…まっすぐに俺を愛してくれた貴方に
ぴったりの花言葉なんです。」

「…？」

後に私は豪さんに言われた通り
辞典で調べて
1人で真っ赤になるのだった。