押して押して誘拐！？ ページ10
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次の島まであと少し。
荷造りを終えた私は、甲板に出てその島の姿を探す。
久々に島へと降りられる喜びと開放感で、私の心はルンルンだった。
手すりから体を乗り出して あれかしら？と前方の島を見ていると、「危ないですよ」と後ろから肩を持たれて降ろされる。
どうやらいつのまにかサンジくんも甲板に来ていたようだ。
「やあ、レディ。島に着くのがそんなに嬉しいのかい？」
「ええ、そうなの！久しぶりの陸地だし、丁度買いたいものもあったから楽しみで」
それにしてもはしゃぎすぎたかもしれない。
恥ずかしくなり、少し子供っぽかったかしら…と頬を掻くと、サンジくんは優しく首を振った後に会話を続けた。
「何を買いたかったんですか？」
「ワイングラスをね。個人で気に入って使ってたやつがこの前の敵襲の時に割れちゃって…」
「ああ、あのグラスですか…。綺麗だったのに残念でしたね」
「そうなの。だから、特に拘りはは無いんだけど次はとにかく頑丈そうなのを見つけたいなって思って」
頑丈はワイングラスなんてそうそう無さそうだが、せっかく買うなら長持ちさせたい。
「もうそろそろ着くわ！！各自持ち場に着いて準備して！！」
そんな呼びかけが聞こえたため、私達は話をやめて持ち場に着く。
近づいてきた島は思ったよりは小さかったが、中心に賑わってそうな町が見える。散策が楽しみだわ！
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なんて思ってたのに
「じゃあ今引いたクジのペアと一緒に行動してね！2時間後には船戻ること。何かあったらすぐ連絡！面倒ごとは起こさないこと！ってルフィ！！聞きなさい！」
「アーウ！！オレは残って整備してるから、船のことは気にせず行って来やがれ！」
なんでこうなったのよ………！！
私が握り締めたクジには青色の丸が書かれている。そして私の傍に寄ってきたこの男……
「ふぁ、Aがペアか。じゃあ行くぞ」
そう、今回の散策での私のペアはゾロだった。ゾロはチョッパーとペアじゃないと確実に逸れるじゃない！と周りを見渡せば、チョッパーはサンジくんとペアになったようで楽しげに下船して行った。
これは今回は買い物所ではないわね……。
頭を抱えながらゾロが立っていたはずの隣を見ると、既にそこに姿はなかった。
「あれ！？ゾロ！？」
「遅ェ、早く行くぞ」
「あっ、ちょっと待ちなさい！」
先が思いやられるけど、年上としてしっかり面倒を見なくちゃよね。
私は小さく拳を握り、覚悟を決めた。
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作者名：だてこ | 作成日時：2020年8月24日 19時
