・ ページ9
．
「あらあら、2人とも顔が真っ赤よ？」
数秒の沈黙を破ったのは、可笑しそうに言うロビンの声だった。
「えっと！それに、ルフィたちの面倒見もいいし！褒め上手だし…！？」
そしてなぜか、慌てたように立ち上がったサンジくんから褒めの追撃をされる。
「うふふふふ。そうね、年下組をまとめるのがとっても上手だと思うわ。それにいろいろ褒めてくれるし」
「ロビンまで…！！
そ……！そんなこといったらサンジくんだって！すごく面倒見がいいし、優しいし、料理上手だし？ロビンも優しいし、気遣いできるし、絵も可愛いし！」
一方的に褒められて恥ずかしくなった私は体を乗り出して2人を褒める。
「あら、嬉しい」
「なっ、それなら……！」
「それに！！サンジくんは、気が利くし、強いし、すっごくかっこい…」
「おーい！サンジー！飯ー！」
体がどんどん熱くなる。
そんな空気を切るように、バンッ！と天井のドアが開き、ルフィが顔を覗かせた。
「あ！あぁ、今行く」
呼ばれたサンジくんは、グラスに残っていたワインを飲み切り、「御一緒させていただきありがとうございました」と紳士的に礼をしてバーを出ていった。
私、最後なんて言おうと…
一気に脱力してストンっと腰を下ろした私を見て、ロビンが満面の笑みで「少しは自信が持てたかしら？」と聞いてくる。
私は自身の顔を手で覆いつつ、大きく数回頷いた。
私、最後になんて言おうとしたの…？
もしかして実質告白と言われてもおかしくないようなことを言ってしまった……？
そんなことに今更気付いた私は一刻も早くこの恥ずかしさを振り払いたくなり、残りのお酒を飲み干し、立ち上がった。
「わ、わた、私！お風呂行ってくる！ありがとうねロビン！」
「ええ、楽しかったわ」
手を振るロビンに見送られて入口ではない横の扉から退出した。
残されたロビンは本を開きながら
「なんでアレで両思いって気づかないのかしら」
と、不思議そうに呟いた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：だてこ | 作成日時：2020年8月24日 19時
