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そんな時。
突然現れた麦わら帽子を被った少年に「仲間になれ」と言われた。そう、それが我が海賊団の船長 ルフィ︎ である。
そう考えてみれば、確かに、気品というものはあるのかもしれない。
でもそれを言うなら、ロビンだってナミだって……
考え込んでいたとき、優しいノックの音が天井から聞こえた。
どうやらキッチンと繋がっている天井の扉がノックされたらしい。
「はーい」
ロビンの返事を聞くと、ゆっくり扉が開いてサンジくんが顔を出した。
「そこにいるのは、Aさんとロビンちゃんだけかい？」
「ええ、そうよ」
ロビンと目が合い、頷きあって返事をした。
「よければ一緒に飲みたいんだけど、御一緒してもいいかな？」
「もちろん、私は構わないわ。Aはどう？」
「大丈夫よ！」
私達の合意を聞いたサンジくんは嬉しそうにハシゴで降りてきた。
そして、出口から1番近いロビンの隣に座った。
「話を遮っちゃったかな。何の話をしてたんだい？」
「えっ？えっと、」
なんて答えたらいいんだろう。
一瞬躊躇った私の横でロビンが笑う。
「Aの素敵なところの話よ」
そんな話だったかしら！？
慌ててロビンを見ると、イタズラっ子のような笑みを少し浮かべ、手に持っていたワインを飲み、
「サンジくん的には、Aのどんな所が素敵だと思う？」
と言った。
話を振られたサンジくんは少し驚いているのか、眉が微かに上がっている。
「ちょっ、ロビン？そういう話じゃなくっ……！」
慌てて訂正しようとした私の口はロビンの能力で塞がれる。
助けを求めようとサンジくんに目線を送ると、少し顔が赤くなっているように見えるサンジくんは、口を開いた。
「そう、ですね。Aさんは上品で、気遣いもできて。それに自分をしっかりと持っているところも素敵です」
．
スっと息を飲む。
静かになったバーに、水の音が少しだけ聞こえた。
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作者名：だてこ | 作成日時：2020年8月24日 19時
