押して押してお礼 ページ3
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とある島のとある市場
私達麦わらの一味は次の島へと向かう途中、物資調達や息抜きに最適そうな島を見つけ上陸した。
そして出港の時まで前半と後半のグループに別れて自由行動を取ろうということになり、各自思い思いに島を探索することになった。
私は前半のグループに振り分けられ、数時間後の船番の交代までの間、充実した市場などをみて回っていた。
その市場の中でふと、見たことの無いような食品が沢山売られている屋台に目が止まった。
オシャレなお酒が並んでいる棚の前へと足を運ぶと、とても興味が唆られる1本を見つけた。
「すみませーん。このお酒3本ください」
店奥へと声をかけると、店主らしきおじさんが私の声でのそっと振り返った。そして私の顔をみると何故か困り顔でこちらへやってきた。
「いらっしゃい！って、あー。お嬢ちゃん旅の人？ごめんなんだけど、この島は18歳以下にはお酒売れないんだわ」
「な！私、見ての通り24なんですけど？？」
気にしている年齢の事を踏み抜かれた拍子に、私は思わずおじさんの顔を見て言い返す。
「お嬢ちゃんが24？うーん、でも傍から見て疑われても困るし、やっぱり売れねえや。ごめんなー」
そう言って申し訳なさそうに頭を搔いた。
「そんなぁ。せっかく珍しいの見つけたのに…」
ガックシと項垂れ、仕方なく他の物を見るか、と足を進めようとしたとき。
「じゃあ俺が買うよ。ついでにその奥のチーズも5kgくれ」
同じく前半グループで先程まで島の美女探し！とキョロキョロしていたサンジくんが、私の横に立った。
「あら！サンジくん」
「はい♡貴女のサンジくんですっ！！ 」
私が名前を呼ぶと目をハートにしクネクネし始めた。
と、思えば、こちらに手を差し出し
「Aさん、お荷物お持ちますよ」
サッと普段の紳士的な態度に戻り、私の持っていた買い物袋を持ってくれた。
正直腕が疲れてきていたため、素直に持ってもらってしまったが、サンジくんも自身の買い物袋を幾つか持っており、とても申し訳なくなる。
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「んじゃ、全部で4300ベリーね。まいどあり！」
お金を受け取った店員は笑顔で店奥へ戻っていった。
サンジくんは最初、買ったもの全てを持とうとしてくれたが、さすがに自分だけ持たない訳にはいかない。
私はせめてもと、代わりに買ってもらったお酒が入った袋を持った。
荷物がいっぱいになった私達は一旦、この足で船に帰ることにした。
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作者名：だてこ | 作成日時：2020年8月24日 19時
