【ONE PIECE】押して駄目ならなんとやら【サンジ】 (ページ17)

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「すみませんAさん、さっきルフィたちにやったので最後だったんです」

「あら……」

キッチンに行くと、サンジくんが夕食の仕込みをしていた。わけを話して協力を仰ごうとしたところ、なんと在庫切れ。どんだけ貰いに行ってるんだあの3人は。

「Aさんは優しいですね。あの3人なんてこの3日間馬鹿みたいに沢山お菓子を食べ回ってるんですから、もう相手にしなくてもいいんですよ」

「うーん、でもね～。探してくるって言っちゃったのよねぇ」

サンジくんに許可を貰って、食料庫を覗く。そこに買い溜めていたはずのお菓子類は無くなっていて、みんな3人のためにここから持って行ったのかと思うとなんだか微笑ましく思ってしまう。

「どうです？なにかありました？」

「んー、特に何も…………あっ」

奥の方に、私がおつまみに買ってあったスルメイカを見つけた。
あまりに奥の方だったため誰も手をつけていないらしく、未開封の大きなプラスチックボトルには大量のスルメが詰まっている。
これをラッピングして渡したらきっと3人は喜ぶに違いない。

「サンジくん！これにするわ！」

食料庫から出て、高々とボトルを掲げる。サンジくんは目を細めてその正体を確かめると、何とも言えないような表情をした。

「それは……トリックの方ですか？」

「失礼ね、立派なトリートでしょう。うふふふ、こんな大きいボトルのスルメイカ、あの3人はさぞ喜ぶでしょうね……！」

絶対そうに違いない。コソッと聞こえたサンジくんの「酒飲みの思考だ」という言葉は無視することにした。

そうとなれば、3人にネタバレしてしまわないようにここでラッピングをしてしまおう。
私は一旦部屋に戻り、キッチンにラッピング資材を持ち込んで梱包を始めた。