隣人は平野くん

#36___sho ページ36

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Aちゃんのゆっくりな口調は言葉を選びながら話してくれてる様子が伝わってくる




「好きでしたって」



『大好きでした。平野くんのこと。でもしんどい』



Aちゃんの頬がキラリと光った









『平野くんのこと好きって気づいてからずっとしんどくて忘れようと思ったけど無理だった、、』




たまに聞こえるのは息が詰まる音。

泣きながら話してくれてるのが暗闇の中でも分かるぐらい。





『伝えたら楽になるかなって、でもっ、やっぱりしんどっ「それ以上喋んなくていいから」









気づいた時にはAちゃんを抱きしめてた



写真でも撮られたらどうしよう




こんな時でもその冷静さは保たれてた




『ごめんなさいっ』




俺の胸の中でAちゃんは泣いた




「好き。大好き。一年前から。今もずっと。」




うっ、うっ、と嗚咽の声だけが聞こえる。







「なぁ。」




体を離して、ベンチに座ったAちゃんに目線を合わす



顔は涙でぐちゃぐちゃだけどもうそんなの気にならないくらい






「俺は周りがなんて言おうとAちゃんが好き。

Aちゃんがそばにいてくれたら仕事だって頑張れる。Aちゃんは俺のことどう思ってる？」




『わたしは、平野くんのこと、

好きです。どうしようもないくらい。』




「聞けてよかった。」

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