【第二十四章】-4 イソップside ページ37
この前のデート以来、初めてAさんとゲームが被った。
未だに、Aさんへの僕の気持ちに変わりはない。
けれど、僕は自分に、自信が無い。
今日の試合では、彼女を絶対に守ろう。
そう誓って待機部屋に向かった。
少し経つと、Aさんが入ってきて、僕の隣に座り、この前のお礼を言ってきた。
律儀な人だと思い、僕も慌ててお礼を返した。
あの日の彼女の言葉を思い出して、少し複雑な気分になったけれど、一生交わらなくてもいい、僕は彼女が好きなのだ。
一生片想いかもしれないけど、今の良好な関係が続くなら、僕はそれでも良かった。
ただ、彼女が別の誰かと幸せになってしまう事を考えると、どうしても胸が痛んだ。
ゲームが始まって、フィオナさんとウィラさんがチェイスと救助を頑張ってくれたけど、僕がウィラさんの肉壁に失敗してしまったから、悔しくも二人とも飛んでしまった。
僕はウィラさんのチェイス中にわざとAさんの顔を見に行って、そのまま棺桶に顔を描きに行った。
彼女がいつ、吊られても逃げられるように………
そして、二人が飛んでしまった今、暗号機は残り2台で、僕もAさんも負傷している。
……負けはほぼ確定だ。
彼女と合流したかったけれど、目の前の暗号機があと少しで回りそうだったから、チャットだけ送って解読に専念した。
すると突然後ろから、
「っイソップさん!」
と名前を呼ばれたから、驚いて調整に失敗してしまった。痛い…。
これでハンターに居場所がバレてしまった事を申し訳なく思い、振り返って、
「「すみません…!」」
と言った声が、彼女の声と重なって、お互いちょっと笑ってしまった。
こんな事だけど少し、嬉しかった。
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あねも(プロフ) - ヒナさん» ヒナ様コメントありがとうございます!そしてお返事が遅れてしまい申し訳ないです(><) そのような感じを匂わせて書いております^^* (2020年1月8日 0時) (レス) id: 8c1c97f69f (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 誰かがこの本書いてるんですかね?実際にあった3人のことを (2019年12月20日 23時) (レス) id: 29323fd56d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あねも | 作成日時:2019年8月10日 17時