【第二十章】-2 ページ12
部屋に戻りながら、さっきフィオナに言われた事をずっと考えていた。
…イソップさんが私の事を好き…好き……
うーん……
どうしても、そんな事、あるわけがないと思ってしまう。
だって彼は、生者が苦手なのだから……
イソップさんの事を考えながら部屋に戻る途中、聞き覚えのある声に呼び止められた。
「Aさん…！」
振り返ると、今まさに考えていた人物だった。
私は動揺して何も答えられず、立ち尽くしたまま、近付いてくる彼を見ていた。
イソップさんが、私の目の前で止まる。
こんなに近くで顔を見たのは初めてかもしれない。
髪の毛はサラサラで、よく見ると目鼻立ちも整っている。
…カッコイイな…………
見惚れてたなんて悟られないように、素っ気なく「なんですか？」と返事をしたけれど、予想外の返事が返って来たからもう、心臓の鼓動は加速するしかなかった。
「あ、明日、僕とデート…してくれませんか…？！」
な、え？デート？！イソップさんと…？
私の思考は一瞬停止した。なにせ、嫌われていると思っていた人からデートのお誘いをされたのだ。
それに、さっきまでの女子トークでの話も思い出されて顔が熱くなる。
「…へ？…あ、えっと、デート…ですか？」
「は、はい…あの、ふたりで雪を見に…」
…何を言っているの？イソップさん…今は夏なのに…
私は少し、冷静さを取り戻した。
この人は、本当におかしいのかな……
「雪…？今は夏ですよ、イソップさん…」
「あ！いえ…！夏でも、雪が降っている場所があるんです…！」
…なにそれ。そんな場所がここにはあるの？
それならぜひ、行ってみたいわ……
「ほ、本当にそんな場所があるのなら、ぜひ、行ってみたいです…」
...私は夏の雪に、釣られた。
「本当ですよ…！え、いいんですか？！っわ、じゃあ明日、お部屋にお迎えに行きますね…！」
そう言ってイソップさんは、自部屋のドアを開けてからもう一度私の方を見て、
「雪、見れますよ…！」
と私に向かって、オッケーポーズをして嬉しそうにするものだから、少し笑ってしまった。
……マーサたちが言っていたように、イソップさんは、私の事が好きなのかしら…
わからないけれど、じゃあ、私は……？
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あねも(プロフ) - ヒナさん» ヒナ様コメントありがとうございます！そしてお返事が遅れてしまい申し訳ないです(><) そのような感じを匂わせて書いております^^* (2020年1月8日 0時) (
レス) id: 8c1c97f69f (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 誰かがこの本書いてるんですかね？実際にあった3人のことを (2019年12月20日 23時) (レス) id: 29323fd56d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あねも | 作成日時：2019年8月10日 17時
