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19瓶目 異端 ページ28

この国は大体が何でもありで、
噂に聞く別の世界とは全くの正反対である。

噂の世界はカガクとかいう物が発達し
世界全体を大きく支えているという。
しかし、我が国ではそんな物は必要ない。
なぜなら「魔法」があるからだ。

街の平和を守る天使がいれば
喋るイノシシもいるし、
童話の姫達が忙しくしている間に
悪魔たちは人々の命を削っていく。
すべての幸福と生命は平等であり、
それは種に関係なく言えることである。
ただ、その国のルールの中で異端とも言える存在がいた。

道化師、皆はそう呼んでいる。

彼ら一族の中でも、
特に例の事件を起こした初代と物語はとても有名で
この国では知らないものはいないほど。
凄まじい力で業火を生み出したあの日から
国全体に不安は広がっていき、
人々はそれに対抗するヒーローを作り出したがった。

それが所謂、魔法使いという者達だ。
魔法使いは光を生み出す事に長けているとされ、
人々の信仰の対象となっていた

______あの出来事があるまでは。

事の発端は割と些細なことである。
だがそれのせいで国の運命は大きく変わった。
そしてその原因を作ったのは──

「おぉい〜、何ぼーっとしてんの?」

その声にはっ、と我に返る。
随分考え込んでいたようで、
気がつくと目の前にノアの整った顔があった。

「……なんでもないさ」

そう呟きグラスの中身を一気に飲み干す。
少し不満そうではあったが、
ノアは大人しく座り直した。

「もう遅いし…そろそろ家に帰ろうか?」

今日から暮らすなら準備もしなきゃ、と
妙に彼は張り切っている。
それに頷くと私たちは席を立った。




「…先生、どうしますか」

「暫く観察しよう」


夜は長い。

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ワタクシ(プロフ) - レイさん» いつもお世話になっております……!そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです!これからもよろしくお願いいたします! (2020年5月11日 22時) (レス) id: cfda2d1e9e (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 本当に綺麗な文章で感激しています!この作品大好きです!これからも応援しています!! (2020年4月20日 13時) (レス) id: a4e5c10c36 (このIDを非表示/違反報告)
ワタクシ(プロフ) - 関西人さん» 長いこと留守にしていましたが、貴方様のコメントで励まされました.......!素敵な言葉をありがとうございます。もう一度書きたいと思えました。これからも応援してくださる方のために書き続けますので、何卒よろしくお願い致します! (2019年10月12日 22時) (レス) id: d168fc46ca (このIDを非表示/違反報告)
関西人(プロフ) - 凄く綺麗な小説ですね!大好きです。もっと早くに知れば良かった... (2019年9月8日 16時) (レス) id: 35e35c5ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ワタクシ(プロフ) - つばさ、別アカ2さん» 返信遅れて申し訳ありません、お褒めの言葉ありがとうございます!諸事情で「きみの瓶詰め」の方は停止中ですが、こちらをお楽しみ頂ければ嬉しいです。 (2019年2月24日 21時) (レス) id: 91d5b5e9ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ワタクシ x他1人 | 作成日時:2018年12月19日 20時

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