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入学式が終わって、下校の時間になった。
校門まではちょっと遠いけど、シルエットと髪の色で、校門に立っとる兄の姿を見つけた。
『誰やろ...?』
見たら、兄は二人の誰かと話しとる。
...というか叱っとる?
そんな事考えながら歩いとる間に、その二人は帰ってしもた。
「信介ー!」
門に近づいてきたとこで手ぇ振ったら、兄はそれにちょっと微笑んで、小っさく手を振ってきた。
『おまたせー、結構待った?』
信「いや、全然待っとらんで。ほな帰ろか」
兄はそない言うて、私の手を取って歩き出した。
『.....』
信「...どないしたん?」
『あ、えっと、なぁ信介、私は別にきにせーへんねんけど…はたからみたら私ら、ラブラブのカップルみたいやない…?』
信「…そうか?どっからどう見ても仲のええ兄妹やろ」
『....』
兄に聞いた私が馬鹿やった。
帰り道、さっき兄と話しとった二人んことが気になって、兄に聞いてみることにした。
『なぁなぁ信介、さっきの人ら誰なん?』
信「え、いつの...?」
『さっき門の前で喋っとった二人やん』
信「あ、あぁ、あいつらな、部活の後輩」
『あー、、なるほど、ほなバレー部か、』
なるほど、やから制服やなかったんや...
とは思ったけど...
『でも今日、部活ないんちゃうん?何でジャージ着とったん?』
せや、部活ないのにあの二人はジャージ着とってん。
ほんで、今日は入学式やから、2、3年生の登校はないはずやし...
『あ、妹か弟が1年生で迎えに来たとか?』
信「...いや、...あいつらな、入学式終わった後やったら体育館使えるんちゃうか、とか言うて、こっそりバレーしに来たらしいけど、体育館パイプ椅子だらけで諦めたらしいわ」
『ははっ、何やねんそれっ』
私は思わず笑ろてもうた...
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作者名:みんと | 作成日時:2024年2月22日 23時