33 . 変わらなきゃ ページ33
「友達になろう」
そう言われたときに、何か俺の中で変わった気がした。
でも、ここで甘えたら駄目だと思って断ったのに松倉はずっと真っ直ぐで、
松倉は変わろうと努力してるのに、俺は何してるんだろう。って、そう思って、
目の前に差し出された手を強く握り返した。
「松倉、」
「ん?」
「屋上の鍵さ、如恵留先生に返そうと思う。」
松倉はそんな急がなくていいんじゃない?って言ってきたけど、
今じゃなきゃ駄目な気がした。
保健室の時のように。
「授業、頑張って出る。」
「……頑張ろうぜ!無理だと思ったら保健室行けばいいし。」
松倉はキラキラ笑顔をこちらに向けた。
さっきは痛かったはずのその笑顔が
今は優しく感じられた。
「カッターも、もう捨てる。」
「辛くなったら俺の腕噛んでいいからな。」
「いや……それは遠慮する。」
俺も、変わらなきゃ。
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楓(プロフ) - 私もこの歌に助けられていた時期があり、なんだか共感を覚えました! (2021年9月8日 14時) (レス) id: e43a506390 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 如恵留先生!待ってました!!このお話面白くて大好きです。これからの展開もとっても楽しみです!! (2021年7月27日 16時) (レス) id: 12bc81e91e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祈醒蘭 | 作成日時:2021年7月15日 19時