首領の娘は雄英へ 《番外編集》

DEAD APPLE 第一章 其の一 ページ8

出航を知らせる汽笛が港に響き渡る。
強い日差しが吊橋と海面に反射する。
潮風がそよぎ、鷗が悠々と飛び回る。

近代的な高層ビルと重厚な煉瓦造りの建物とが
混在する港湾都市・横浜。

その横浜を見下ろす緑に囲まれた墓地に、
花をたむけて歩く一人の少女がいた。
服装が黒のコートに首にはスカーフを巻いて、
黒のスーツ姿の言葉通り真っ黒な少女だが。

名は『森 有栖』。齢は15。まだ高校生だ。

有栖は何十個かの墓石に手を合わせ、
最後に木陰にある墓に向かった。
向かった先には先客が居た。

砂色の外套に、ボサボサの黒い蓬髪。
首や手から覗く包帯が印象的な男。

『太宰 治』。元ポートマフィア幹部。

有「珍しいね太宰。」

太「有栖ちゃんか。
君が死んだ部下一人ひとりの墓を回って歩いて
一番最後に織田作の墓参りかい？
まず織田作の墓参りしたのかと思って居たよ。」

冗談交じりの言葉を云う太宰。
その言葉を聞きながら、有栖は墓に手を合わせた。

有「ポートマフィアで出来た初めての友人だもん。
一番最後にするさ。」

太「護衛は？」 有「梶井。」

太「何処に？」 有「車で待機させてる。」

「成る程」と太宰が言った。
するとそこに、探偵社の中島 敦が来た。

敦「君は………」

有「こんにちは、敦君。
今日は見ての通りただの墓参りだから。
じゃあね、太宰。」

太「次会う時はまた名前で呼んでくれ給えよ？」

有栖は適当に手を振って車に向かった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ポートマフィア本部に向かう車の中で
梶井と有栖は(学校の化学について)会話をしていた。

梶「沸点の高低は、一般的に、
粒子間の結合力や引力の強弱に関係するから……」

有「じゃあこの順番は
共有結合＞イオン結合＞金属結合＞……」

梶「そうそう。」

黒服「有栖さん、梶井さん。そろそろ着きます。」

有「はーい。じゃあまた今度教えてね。」

梶「有栖嬢の為ならいつでも！」

本部前に車をつけてもらい、私は首領執務室に、
梶井は自分の研究室に向かって行った。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

鴎「急に集まって貰って済まないね。」

執務室には有栖の他にも、

幹部・中原 中也、尾崎 紅葉

遊撃隊長・芥川 龍之介

黒蜥蜴 百人長・広津 柳浪

構成員・梶井 基次郎 ←呼び出された

派遣で居ないものもいるが、ポートマフィアの
異能者達が集まって居た。

DEAD APPLE 第一章 其の二→←DEAD APPLE 序章３

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

乱歩さん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す