【文スト】題名が思いつかない (ページ6)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:822 hit

５ページ6

眩しくて目が覚めた、
まだ眠たい。目は閉じたままだ。

何だか身体が何時もより痛いが、まぁ路上で眠っているうちに車に引かれでもしたのだろう。

この痛みのなか支えも無しに立っているのが何だか気になるけれど。
…もう一眠りでもしようかな、また薄暗くなったし。

醒め始めた脳を停止して
また微睡み始めたときだった。

ガツｯ、と、後頭部がそんな風になにかに当たった。
流石に滅茶苦茶痛くて目が覚める。

『う"っ…く、ふ…』

頭があつい、多分酷く腫れたか割れている。
急いで目を開いた。

最初に飛び込んできたのは…、
この窓も一切ない、本当なら指の先すら見えない筈の部屋を、
薄暗がりにしてそれを可能にしているものだった。
簡単に云うと、切れかけた照明。

そうか私の頭は上を向いていたのか。

至近距離に、多分人の手首が見える。
髪を掴まれている感覚があり、
この人が私に物理的な意味で上を向かせているのだと思った。

目玉を動かして頭をぶつけた何かを確認する。どうやら赤黒く変色した壁のようだ。

血に見えた、ひぇぇ…

そして此処で漸く自分を支えていたものを視認した。
壁に埋まるようにして設置されていた、私よりずっと高い位置にある、鎖、手錠。

私は壁に腕から吊るされていた。
何故気がつかなかったのか…あぁ、腕の感覚がないからか。
今見ただけでも相当酷いことは分かった、多分もう腕は一生使い物にならない。

ざらざらの壁と頭が擦れて、じゃりっ、と音がする。

「…おい手前」

『は…ｹﾎｯ…は、い…』

上を向いている喉が締め付けられてうまく息が吸えなかった。

「…ついてこい、妙な真似したら殺す」

『…』

仕方なくついて行った。