52.またまた来客 ページ9
とりあえず、リビングに花束を持って来ると、すかさず律が盗聴器やカメラが仕込まれてないか、確認してくれたが、その類の物は入っていなかった。
その代わりに、封筒が入っていたのである。
律〈きっとこれも、ラブレターだと律は思います！〉
いや、ラブレターって。
『あいつ、私が人妻だと言う事を知っているはずなんだがな……』
とりあえず、スコッチからの手紙を見ようと封筒の中に入っていた手紙を出す。
だが……
律〈A先生大変です！
またまた来客ですよ！
またもやデジャブ……
今日は何人来るんだと思いながら、相手が誰だか確認すれば、安室だった。
律〈どうします？
居留守にしますか？〉
『いや、多分こいつも同じ要件だろう。』
私は安室を出迎える事にしたのである。
安室「今日は、Aさん。
良かった、コナン君から体調が優れないと聞いていたので、心配していたんです。」
明らかに背中に何かを隠し持っているのは分かる。
そしてこの後の展開も。
『言っておくが、私は人妻だぞ。』
安室「でも、彼は許婚なんですよね？」
安室の言う彼とは、間違いなく学秀の事だ。
『それが何だ？』
安室「結婚相手と許婚が居るのなら、まだチャンスはあるじゃないですか。」
そう言って安室が私の目の前に出したのは……
視界いっぱいに広がる白い薔薇。
こんな見事なバラの花束を持って来て、こいつはどうしたんだ？
しかも、またまたデジャヴ？
安室「では、僕はこれで。」
『えっ、おいっ！！』
花束を渡して帰ってしまった安室に、私は目が点になる。
全くどう言う事なんだ……？
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作者名：壱 | 作成日時：2020年7月13日 12時
