88.魔王降臨 ページ45
コナン「Aちゃん、良かった！」
『心配掛けたな。』
明美「ララ、無事で良かったわ……」
『おお、お前は明美か。
久方振りだな。』
男だけの集団にも、紅一点。
私は學峯から離れると、明美の元に向かった。
しゃがんだ彼女は私の頭を撫でる。
だが、彼女の表情は凍りついたものに変わる。
『おい、どうしたのだ？』
明美「そ、その首の……どうしたの？」
首？
あっ……と思った時には、時既に遅し。
背後から感じた重い殺気に、私は身震いして、ギギギっとロボットの様に顔を振り向かせた。
學峯「私にもよく見せてもらおうか。」
にこやかな笑顔の夫だが、目は笑っていない。
夫は私を見下ろす。
學峯「誰にやられた？」
『いや、その……こ、これはだな、た、ただの、虫刺され、だ……』
學峯「虫刺され？」
夫の痛い視線に耐えきれず、近くに居た沖矢と目が合った私は、瞬時に動くと沖矢の背に隠れた。
沖矢「えっ、あのAさん！？」
『頼む私を守ってくれ！』
沖矢「ま、守るって……」
沖矢は私と夫を交互に見ると、何故かすいませんと言って私から離れる。
まさか夫の側に付くと言うのか……？
私は近くに居た安室に顔を向けたが、目を逸らされた。
もちろんその隣にいた江戸川も、私と目が合った瞬間に目を逸らす。
見方の居なくなった私の前に、夫は立つ。
大魔王降臨である。
學峯「詳しい話は後で、聞こうか。
今は殺せんせーを倒す方が先だからね。」
首の皮が繋がった。
だが油断ならぬ状態である事に、変わりはない。
私は生唾を飲み込んだのだった。
『あ、ああ……そうだな。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：壱 | 作成日時：2020年7月13日 12時
