幼女が求婚されて困ってます！2 (ページ40)

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83.企みページ40

学秀「母さん……」

『何だ？」

学秀「まだ、怒ってるの？」

『当たり前だ。

お前達の企みのせいで、夫に何かするのであろう？

怒るのは当然だ。』

学秀「母さんは、本当に父さんの事が大切なんだね。

何でそこまで……？」

『聞くまでもない。

あいつが私の夫だからだ。』

学秀「僕よりも、大事なの？」

『何を言うか、お前とて大事な存在だぞ、学秀……だからこそ、こんな事はやめろ。』

そう言って息子を見上げる。

何をするのかは分からないが、きっとそのせいで何か良からぬ事が起きるのかもしれないという勘が働いている。

私はただ家族揃って平和に暮らしたいだけだ。

ただそれだけで良いのに……

『何故、駄目なのだ……私はただこのままを望んでいるのだ。

學峯や、お前と共に、家族揃って生活出来るだけで、十分幸せなのだ。』

学秀「母さん……それじゃあ、駄目なんだよ。」

『何が駄目だと言うんだ！？』

学秀「それじゃあ、母さんは救われない。

本当の意味で救われないんだっ！！」

そう叫んだ息子は、強い力で私の体を押し倒した。

『お、おいっ学秀！』

学秀「そうだよね、もう少しで母さんは助かる……ついでに父さんも助かるわけだし……僕はもう居なくなるわけだから、やっぱり最後に母さんを貰っておこう。

こんな可愛い母さんは、今だけなんだ……ははは、母さん……可愛いよ。」

背筋に悪寒が走る。

まるで目の前にいるのは、息子なのに誰か別人みたいに思えて来た。