幼女が求婚されて困ってます！2 (ページ29)

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72.母親として＊ページ29

ようやく唇を離してもらえ、荒くなる呼吸を落ち着ける様に、肩で息をする。

学秀「僕の気持ちを、分かって下さい……

貴方を手に入れる為なら、何だってします。

これ以上の事だって、父さんに体を許してるなら、僕だって……」

『そんな事絶対だめっ！

貴方は私の子よ……それだけはだめ。』

学秀「貴方が駄目だと言っても、僕は本気でします。

貴方を愛してるから……だってもう、戻れなくなるんだ。

僕が貴方を……したら、戻れなくなるんだ……」

涙を溜めた息子が何を言っているのかが、聞き取れなかった。

『学秀……あの、何……？』

学秀「家族を捨てても良い。

貴方を救えるなら、それでも良い。

僕を忘れない為に、貴方に……」

ギュッと抱きしめられた息子の背中に、両手を回す。

こんなに弱りきって、涙を流す学秀を見ていられなかった。

親として、子どもが何かに困っていて、辛いのを見たら、放って置けないのは当然だ。

『学秀……どうしたの？

母さんに話して？

何でも聞くから、ね……？』

たとえ自分が子どもであっても、目の前の息子の母親であった事に変わりない。

学秀「母さん……」

『行きましょう、母さんいっぱい聞いてあげるから。』

どうしたって子どもに優しくて守ってあげたくなるのは、お腹を痛めて産んであげたからこその母性本能なんだろう。