69.最後の敵 ページ26
學峯side〜
椚ヶ丘学園理事長室。
今日の授業の準備をしていた矢先、律さんから連絡が入った。
殺せんせーが見つかったが、彼は光速で移動している様で、現在地は不明との事だった。
だがそれは、大きな収穫だった。
彼女の報告と、集めた触手が全て持ち出された理由、それがやっと繋がったからだ。
まさかこうなる事が、殺せんせーの目的。
二度も殺される事を彼は望んだと言う事なのか？
きっと、彼だけに頼まれた事なのかもしれない。
私も妻も自称神から知らされていないだろう事から、考えられる。
集めた触手を全てなくす為なのかもしれない。
あれは人間がどうこう出来る代物じゃない。
危険物質だ。
でも、ここで一つ誤算がある。
この世界に散らばった触手の内の一つは、まだ妻の体内にある。
と言う事は、まさか殺せんせーは妻を……
考えたくはないが、もしそうなのだとしたらそれを阻止しなければならない。
殺せんせーも妻も、後天的に触手を移植されたわけではないので、触手を引き抜くのは不可能に違いない。
触手が人体組織に深く絡み合っている為、もし引き抜けばその体はただでは済まされないと言う事だ。
最後の敵は貴方と言うわけですか、殺せんせー。
最強の殺し屋死神を前にして、武者震いした。
私以上の能力を持った敵だ。
あれは一筋縄では倒せないだろう。
それに、敵は殺せんせーだけじゃない。
学秀もだ。
あれがAを救う為に、何かを企てるだろうが、嫌な予感しかしない。
こう言う時の勘は嫌なくらいに当たるのだ。
學峯「律さん、殺せんせーを暗殺する為の、武器を用意してくれ。」
律〈了解しました！〉
私達だけでは、戦力不足なのは、目に見えている。
あのマッハ20 を暗殺する為には、精鋭部隊が必要だ。
律〈浅野理事長、助っ人に心当たりでも？〉
學峯「彼らに事情を話して、協力を仰ぐしかないな。
今度こそ、私や君の事……Aの事も話さなければならないだろうね。
信じる方が難しいだろうが、あの超生物をどうにかする為には、一番最善の策だ。」
律〈律もそう思います！〉
學峯「では、連絡を頼んだよ。
内に来てもらうようにね。」
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作者名：壱 | 作成日時：2020年7月13日 12時
