幼女が求婚されて困ってます！2 (ページ20)

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63.板挟み＊ページ20

『あっ、ん……』

脱力した体に、夫の着ていたワイシャツが掛けられた。

汗ばんだ体にそれは張り付くが、今は何も着ていないので、ありがたい。

學峯「タオル持って来るよ……」

『うん……」

そう言って上半身裸の夫は、私の頬にキスをすると、立ち上がろうとしたが、夫は舌打ちをして不機嫌な表情を見せる。

学秀「見境なく母さんを襲うのをやめてもらえませんか？

こんな所を僕以外の誰かに見られたら、間違いなく貴方は通報されますよ。」

どうやらリビングに学秀が来たらしい。

とりあえず、今で良かったと思ったが、私今……こんな格好……だった。

夫の体が壁になっているおかげで、学秀には見られていないが、恥ずかしくて顔が熱くなる。

學峯「余計なお世話だな。

で、君はいつまで居るんだい？」

学秀「言いませんでしたっけ？

二、三日は浴室の工事があって、風呂場が使えないと。」

學峯「銭湯にでも行けば良いものを……誰の許可もなく勝手に泊まるとは、宿泊費を払って欲しいものだな。」

学秀「母さん、しばらく泊まって良いですか？」

『えっ、ああ……』

と普通に返して私は、口を手で塞ぐ。

目の前の夫は、私を真顔で見ていた。

ううっ、仕方がないだろ。

いつもの感覚で普通に返答してしまったんだから。

学秀「今母さんから許可を貰ったので、問題ないでしょう。」

學峯「そんな口約束で、私が許可するとでも？」

学秀「許可させてみせますよ。」

いつの間にか、ソファに近寄って居たのか、学秀が隣に立って居た。

学秀「か、母さん……？」

息子は私とそれから學峯を交互に見て、瞬時に夫に殴りかかった。

もちろんそれは簡単に避けられて終わった。