幼女が求婚されて困ってます！ (ページ3)

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1.行方不明ページ3

触手の残粒子集めが終わり、柳沢の騒動から二週間が経過した。

律〈やっぱり見つかりません……〉

リビングの大モニターに映る律は申し訳なさそうな表情をして、顔を下げた。

それに合わせて背景の色もブルーになっている。

『そうか……

すまなぬな律、また明日にでも探索してくれ。』

律〈はい、分かりました。〉

何故私達がこんな話しをしているかと問われれば、実はある者を探しているからである。

それは、タコだ。

本名はえっと死神だったか。

學峯と旅行から帰って来た時に、律からタコが行方不明になったと聞いた。

その日から探し始めているが、未だにタコの消息は掴めていない。

學峯「やっぱり、今日も殺せんせーは見つからないのかい？」

書斎から戻って来た學峯に、そうだと返答する。

夫は何かを考える様な素振りを見せると、私にある提案をした。

學峯「君、まだ体に触手があるなら、何か感じるんじゃないか？」

そうだ、私の体にはまだ触手がある。

全ての触手を回収したそうだが、私の体にあるものは抜かされておらず、このままの状態なのだ。

タコが居なくなった所為で、私の触手は抜けないからである。

『無茶を言うな。

私は元から探知型ではないんだぞ。

タコを見つけられるわけがなかろう。』

そんな力があったら、今すぐにでも見つけられると言うのにな。

全く、不便な体である。

『私は先に風呂に入るぞ。』

學峯「なら一緒に入ろうか。」

律〈えっと、律は……明日の朝食の仕込みには、入ります……〉

そそくさと、気を利かせてか画面から退散した律を横目に、學峯に顔を向ける。

『律の前だぞ。』

學峯「彼女だって、私達が夫婦なのは理解しているだろう？

まあ君は小学生だけど、中身は大人なわけだしね。」

『お前も自称アラサーだが、中身はアラフォーだったな。

いや、四捨五入すればアラフォーだから、変わらずか……』

學峯「何か言ったかい？」

にこやかな笑顔を貼り付けた夫の目は笑っていない。

これは、地雷を踏んだかもしれないと焦るが、時すでに遅し。

首根っこを掴まれ、抵抗虚しく無理矢理浴室に連れ込まれたのだった。