7.調査の実際2 ページ9
次の日の放課後。
えっ、時間が進むのが早いって？
だって浮気調査をするには、放課後じゃないとできないし。
私の本業学生だし。
だから必然的に話しの時間軸って、放課後になるんだよね。
というわけで、時間の歪みが発生するわけですよ。
と、大人の事情はさておき。
さて、今日は……どうしようかしら。
昨日、優奈さんはすっきりしたと言って帰って行った。
ちょっと心配だったなぁ。
ただ、彼女は今日もお店に来るわけだし、調査の報告をしなくてはならない。
というわけで、今日はもう少し接触を増やしてみる試みに移りたいと思います。
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私は、屋上に来ていた。
基本屋上は、生徒は立ち入り禁止である。
だが、用務員さんを見つけて屋上の清掃当番だからと嘘を伝え、鍵を手に入れたのである。
まあ、鍵を手に入れなくても、家庭内事情により、鍵を開けるのはできるわけなのですが……
能ある鷹は爪を隠す。
使える力は隠しておきますよ、理事長先生。
私は屋上の扉が映るように仕掛けられた監視カメラに視線を向けた。
そして扉を開けて、外に出る。
大きく伸びをして、外の空気を吸う。
風が心地いい。
そのまま屋上の縁から伸びた金網に向かう。
縁から伸びた壁は、金網の部分と、鉄柵の部分とで交互に作られていた。
金網なんて、その気になればニッパーで切れる。
私は靴を脱ぐと、金網に手をかけた。
＊注
良い子は真似しないで下さい
さて、そろそろかな。
遠くの方で、カツカツと忙しない靴音が聞こえる。
どうやら階段を駆け上がっているのだろう。
実は耳はいいです。
数は一人。
容易に想像はつく。
さて、調査相手に接触しようか。
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作者名：壱 | 作成日時：2019年6月21日 23時
