26.決戦 ページ40
指定した待ち合わせの公園で私は待っていると、先生は来てくれた。
『先生、私服じゃないの？』
學峯「仕事の帰りなんだよ。」
仕事の帰り……週末なのにご苦労なことね 。
でもよく、優奈さんは愚痴を零してたっけ？
休みの日もあの人はね、仕事ばかりなの。
家族よりも、仕事派か。
『私、先生の私服が見たかったなぁ。』
そう言いながら、先生の腕に抱きついて上目遣いをする。
學峯「君が見ても、面白くはないよ。」
『そんなこと…ないもん。』
きゅっと腕を抱きしめる力を強めて胸を押し付ける。
『だって私ね、先生のこと……』
學峯「君の元彼は？」
私の体を押して突き放す様な行動に驚く。
まるで、急かされている様な感じだ。
しかも携帯を確認してる。
何かの連絡待ち？
ああ、そうか……
今日は情報屋の伝手の者が、依頼主に報告をする日だったなと思い出す。
ちゃんとほうれん草は徹底してるからね。
私も知ってるよ。
『先生、来たよ。』
私はある方向を指差す。
そこには、長い髪を後ろで一本に縛るスーツの男が歩いて来た。
『
彼は私の協力者で、元々は私のお目付役だ。
成守「誰です、その男は？」
『私の彼氏。
だから、もう成守とは会えない。』
私は先生の腕に抱きつく。
學峯「そう言うわけだから、君は帰ってくれないかな。」
以外や以外、先生が一役かってくれたことに驚く。
私の願いを叶えてくれるって言ってくれたのは、本当だったんだね。
成守「嘘ですね。
見ていればなんだかぎこちないし、別れる為だけに連れて来た男でしょ。
彼氏だと言うなら、証拠を見せてくれませんか？」
さて、浅野先生どうしますか？
そう私の狙いはまさにこれ。
私は困った表情を先生に向けて助けを求める。
先生はと言うと、私を腕から離すすことはしなかった。
むしろ、私に片手を伸ばして顔を引き寄せる。
えっ！？
マジでこのままキスする気なの！！？
先生の行動に驚くが表情には出さないように目を閉じた。
だが……
成守「お嬢様！！」
大事なところで成守は……
學峯「お嬢様？」
ピタリと動きを止めた先生は、私に鋭い瞳を向けた。
あちゃぁ……駄目だこりゃ。
計画失敗。
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作者名：壱 | 作成日時：2019年6月21日 23時
