24.劇団戦法 ページ38
『せ、先生……？』
學峯「ここで学ぶ生徒の未来を考えるのも、私達教育者としての責任だ。
それに、生徒の悩みを聞いてやるのも当然だよ。」
でも、それは私の欲しい回答じゃない。
この人が私の為に居てくれるか、否か。
それが知りたいと言うのに。
學峯「と言うのは建前で、君の願いを聞こうか。」
『えっ……！？』
それはつまり……
『先生は、私の為に居てくれるの？』
學峯「ああ。」
ふ〜ん、単純なのか、何か考えがあってか……
『じゃあ、私と付き合ってくれる？』
學峯「いいよ。
ただし、君の元彼を撃退したら、この関係は終わり。」
なるほど、そう来たか。
まあ、でもそうか。
ちゃんと結婚してる発言してたしね。
領分はわきまえてるのね。
『うん、分かった……
じゃあ、早速お願いしたいことがあるの。
今週末の休日ね、元カレに会うことになってるの。
勝手に決められて……来ないと家に押しかけるって言うし……』
學峯「それで、私に来て欲しいと？」
『うん……私一人暮らしだから、本当に押しかけられたら困るの……』
學峯「一人暮らし？
あれ、確かおばあさんと一緒じゃなかったかい？」
生徒の個人情報も、きちんと調べてるわけ……はぁ、怖いなあ。
『うちの祖母は……祖父が亡くなってから、実家に。
私は今は一人で暮らしてます。』
學峯「そうか……色々訳ありなんだね。」
『うん……だから、先生お願い……』
學峯「分かった、いいよ。」
『ほんと！！
嬉しい……』
私は先生の腕に自分の腕を絡めて胸を寄せる。
『ありがと、先生。』
さて、ここからは私の攻撃を食らってもらうから。
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作者名：壱 | 作成日時：2019年6月21日 23時
