13.調査の実際5 ページ23
さて、浮気調査で根本的に重要になることは、証拠を掴むことである。
もちろん、今の私には証拠は既に手にあるわけである。
＊優奈さんから頂いた写真。
だが、人によってはその写真は証拠不十分と判断されることも考えられる。
腕を組んでる写真が浮気に繋がるのかと、問われたらそこは人の感性の問題であり、たかが腕を組んでいただけ、特にそれ以上はないと、返されれば私達に勝利はないのである。
そこで、今私達に必要となる武器は、さらなる証拠を手に入れること。
相手に弁解の隙を与えない様な、誰が見ても、「これは完全にアウトだろ」と言わせることができる証拠が必要になるわけである。
というわけで、私は今日からその証拠集めに取り掛かることにした。
例によって放課後。
さて、対象者に接触して盗聴器を仕掛けようかと考えていた矢先、私はある人物に遭遇したのである。
学秀「花谷さん、今日も理事長の所へ向かうのかい？」
彼に会うのも既に三度目になりますね、時期生徒会長。
廊下ですれ違い様に声を掛けられれば、止まるしかないかと仕方なく、私は足を止めたのだった。
『あ、浅野君…も？』
学秀「ああ。
気になってたんだけど、何で君が？
理事長室に何か用があるのかな。
成績は優秀、素行も良好な君には、日の打ち所はないと思うんだけど。」
彼も、外見から攻めるタイプか。
いきなり敵の急所を狙うのではなく、外からじわじわと攻めて、相手を崩す。
面倒な相手。
まあ、私は時と場合によって、戦法は変えるけどね。
さて、彼をどう対処しようか。
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作者名：壱 | 作成日時：2019年6月21日 23時
