147.戦いの理由 ページ38
コナンside〜
パァァァァァンッ！！！
広い廃倉庫内に響く乾いた音。
少し離れた場所から見ていた俺でも、浅野さんが何をしたのかは分かっていた。
分かっていたけど……
あれって、猫騙しだよな？
猫騙しとは、相撲競技で使われる奇襲戦法の一つだ。
立会いと同時に、相手力士の目の前に両手を突き出して掌を合わせて叩き、相手の目をつぶらせることを目的とする技のこと。
浅野さんも同じことをしてたけど、普通猫騙しで相手を制止させられるのか？
しかも、猫騙しを食らったAちゃんは膝から崩れ落ち、その後気絶して地面に倒れた。
一体浅野さんは何をやったんだ？
気になった俺は浅野さんの元に向かう。
彼は動かなくなったAちゃんを抱き上げていた。
コナン「浅野さん、今の技って何？」
學峯「ん？
ああ、ちょっと凄い猫騙しだよ。」
ちょっと凄い猫騙し？
普通の猫騙しと違うのかな？
學峯「それより、この爆弾……取り外しにはやっぱり鍵が必要なのかな……？」
えっ、爆弾！？
はっ！？
コナン「爆弾なのっ！！？」
學峯「そうだよ、だから妻はあんな態度を取っていたんだよ。」
コナン「それって、僕達に危険が及ぶから？」
學峯「ああ、そうだよ。
大方、私達を潰すか、引き返さないと、爆弾を爆破し、助けに来た私達ごと殺すと言われていたんだろう。
その被害に合わせないように、帰れと言っていたんだ。」
そうだったんだ……
いや、でも何でそんなことを浅野しんは分かったんだ？
首輪を見ただけで、それが爆弾だって？
それじゃあまるで、前にも……
學峯「さて、殺せんせーの元に向かおうか。
解除装置を手に入れられてると良いんだけどね。」
はっ！
そう言えば、気付かなかった。
殺せんせーが居ない。
さっきまで居たのに。
居ななったことにも気付かなかった……
何で？
學峯「あの人はね、ちょっと変わった人なんだよ。」
そう言って、浅野さんは微笑むと、歩き出した。
ちょっと変わってるって……
触手の力があるから？
でも、殺せんせーはまだ触手を出してなかったよな？
それって、元々殺せんせーが持ってる能力ってことになる。
本当にこの人達には驚かされることばかりだ。
ただ者じゃないとは思ってたが……
もしかして、どっかの特殊部隊とかだったり。
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作者名：壱 | 作成日時：2019年6月10日 20時
