145.妻が優勢？ ページ36
學峯side〜
間一髪だったか。
妻の攻撃に柄にもなく冷や汗が出た。
全ての触手ではなく、一部の触手を圧縮してエ ネルギーを取り出し、それを放つ砲撃
確かあれは殺せんせーが学習して生み出したやつだった。
完全防御携帯での教訓を生かして得た戦法だと、当時の防衛省の記録にあったことを思い出す。
まさか、それを今使ってくるとは……
まあ、江戸川君のおかげで、助かったから良しとしよう。
彼の付けているベルトから出た服らんで大きくなるサッカーボールがなかったら、落下した鉄筋の下敷きになっていたし。
江戸川「浅野さん、どうするの？」
學峯「私が出るから君は下がってくれ。
妻は多分、狙いを私に絞るだろうからね。」
私の考え通り、彼女は触手を変形させて、サーベル状にしていた。
本当に何でもありだな。
私は近くに転がっていた使えそうな鉄筋を掴むと、飛んで来た妻に応戦する。
触手サーベルと鉄筋がぶつかり合う。
キンッ！
學峯「接近戦で良いのかい？」
『私が何も考えず、この戦法を取ると思うか？』
その直後、片方の触手が枝分かれをする。
まさかこのゼロ距離でエ ネルギー砲！！？
不味いと思い、その場から飛び退こうとするが、体が動かない。
他の触手に足を拘束されて動けなくなっていた。
『少し痛いだろうが、心配するな。
しばらく気絶するだけだ。
その後に江戸川を倒す。』
眩い光が辺りを包み、いよいよ終わりを感じた私はハッとしてあることを思い出す。
あれならこの場の打開策になりうるかもしれない……
私は拘束されていない手を見て決心した。
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作者名：壱 | 作成日時：2019年6月10日 20時
