143.手強い相手 ページ33
沖矢side〜
明美「さて、貴方は一体何者なのかしら？」
沖矢「貴方の方こそ……何者ですか？」
明美なのか？
本当に彼女なのか……
明美「どうしたの？
何だか動揺している様に見えるのだけど？」
彼女は口角を上げて笑う。
その笑顔だって、何度も見て来たものだった。
見間違えるはずもなく、そっくりさんなんてレベルじゃない。
間違いなく本人のものだった。
沖矢「動揺……？
仮面の下のお顔が、あまりにもお綺麗でしたので……」
明美「冗談が上手いのね。
でも、お喋りはこれくらいにしておきましょう。」
出来ることなら、戦いたくない。
だが、そうも言ってられないようだ。
沖矢「そうですね……」
さて、どうする？
明美「来ないのなら、こっちから行きましょうか？」
！！
一瞬にして目の前に居た彼女の姿が消えた。
いや、目で終えないわけじゃない、恐らく後ろだ！！
俺は素早くその場所から飛び退くと対触手用のナイフを手に持ち、飛んで来た触手に向けてナイフを振った。
ザシュッ！！
明美「つっ……何で再生が……」
切られた触手が地に落ちる。
沖矢「悪い事は言いません、ここは引いてもらえませんか？
出来る事なら、貴方を傷つけたくないんです。」
明美「……何で？
あの時もそうだった……」
恐らくパーティ会場で交戦になった時のことを言っているのだろう。
あの時も、対触手用のナイフで触手にダメージを与えていたのだ。
明美「何の力もない、選ばれた存在でもないただの人間が、何故……我々に刃向かうことが出来るの？」
選ばれた存在？
触手…ポテレ・オニリコの力のことを言ってるのか？
沖矢「貴方は選ばれた存在なんですか？」
明美「そうよ、私は…私達は特別な存在なの。
この力があったからこそ、今の私があるようなもの。
だから、私達がやるべきことに邪魔はさせないわっ！！」
そう言うと、明美は触手を飛ばして来る。
飛んで来た触手は枝分かれをし、素早い突きを繰り出して来た。
なんとかナイフを使い裁きながら応戦するが、これをずっと続けていては時間の無駄であるし、体力にも限りはある。
何とかして、彼女の隙を突く方法はないか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：壱 | 作成日時：2019年6月10日 20時
