142.新たな刺客 ページ32
沖矢side〜
沖矢「打開策はあるんですよね。」
もちろんここで律さんから報告して来たということは、きっと何かしらの考えがあるはず。
多分俺の予想が正しければ……
律〈リモコンを持った犯人は近くに居ます。
今殺せんせーがその犯人と交戦中です。〉
沖矢「なるほど、その隙にリモコンを破壊するか、あるいは敵の手からリモコンを奪う為の手助けを、僕がすれば良いと言うわけですね。」
律〈はい！〉
沖矢「……分かりました。
何とかやってみましょう。
ただし……ちょっと手こずるかもしれません。」
律〈えっ？〉
そう、先程から感じていた殺気。
屋上に通じるドアは一箇所で、そのドアは錆びているのか、ドアを開けるときにギイッと音がなる。
だが、その音はしなかった。
なのに、その殺気を放つ人物はどこからともなく現れた。
ということはらドアからやって来たわけではないということになる。
そう考えると、冷たい嫌な汗が背中を伝うのを感じた。
困ったな……
ライフルは、拳銃と違って遠くは打てても、近くを打つ為の物じゃない。
苦戦する相手ではない事を祈りたいが、その願いがどうやら叶う事はないようだった。
？？「ララ・スピシースは渡さない。
あれは、私達のものよ……」
凛とした女性の声。
それも、どこか懐かしさを覚える声に、俺は思わず立ち上がって振り返る。
白面を付けた黒髪の女性がそこには居た。
沖矢「こんな場所に貴方の様な女性が、何の用でしょうか？」
？？「それはこっちのセリフよ。
それで、何をするつもりなのかしら。」
もちろん彼女の視線は、ライフルに向けられている。
沖矢「何って、Aさんを助ける為にです。
貴方の方こそ……よく、ここが分かりましたね。」
？？「周辺の地理情報は抑えているもの。
当然よ。」
そう言って、黒髪の女性は、顔に手を持って行くと、白面を外した。
沖矢「なっ……！！？」
そう、それはあり得ない光景だった。
明美！！？
何故なら目の前にいるのは、死んだはずの人間だったのだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：壱 | 作成日時：2019年6月10日 20時
