139.切っても切れない関係 ページ29
『目的?
ハッ、バカだな…そんなものは、もうどうだっていい。
失せろ、目障りだ。』
私にとって、大切な存在が傷付くことは何としても避けたいのだ。
だからこそ、これは譲れない。
學峯「なるほど、いつから聞き分けのないワガママお嬢様になったのかと思えば……
言っておくが生憎……私は今とても機嫌が悪い。」
鋭く見る者を射抜く様な紅い瞳。
思わずその目を前にして、私は生唾を飲んだ。
夫を怒らせるとこんなにも怖かったか……
『それは私もだ。
図に乗るなよ、バカが。
言っておくが泣いて命乞いをしても、聞いてやらんぞ。』
だが、ここで怯んではいられない。
全力でこいつらを追い返す。
學峯「ほぅ…君ごときが大した物言いだ。
だが、返り討ちに合うのは君の方だよ。」
學峯はそう言って私を見ると口を動かした。
“必ず助ける”
そう口パクで言って、自分の首を指差す。
『つっ……やれるものなら、やってみろ!
私はお前達を潰すまでだ!』
長年連れ添った仲だからなのか……
あいつには、どうやら隠し事は出来んようだな。
そう思うと、熱いものがこみ上げて来るのを感じたのだった。
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作者名:壱 | 作成日時:2019年6月10日 20時