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132.立ち往生 ページ21

安室side〜

Aさんを追って車を走らせていたが、ある地点から彼女の行き先が、止まって表示される様になっていた。




まさか、僕が仕掛けた発信器に気付かれて……


案の定その地点に着いた僕は車を止めて周囲を観察する。



するとやはり、道端で投げ捨てられた服をみつけた。



この服は、僕がAさんに用意したものだ。



あの仮面の男が、発信機に気付いて服を捨てたのだと分かる。



くそ、厄介なことになった。



これじゃあ、Aさんを追跡できない。





このままでは、あの仮面の奴らに……




組織とは違う別の勢力の手にAさんを奪われたら厄介だ。




奴らの狙いが何かは分からないが、野放しには出来ない。





こうなったら……恥を承知で、あの人に相談し助けてもらうしか……





俺は、携帯を出すと浅野さんに電話をかけたのだった。







安室「もしもし……」



學峯《安室さんですか?》




安室「はい、あの浅野さん……実はAさんのことでお話しが……」



學峯《すいません、今手が離せないので、別の者に代わりますね。》



えっ、別の者?



手が離せないって、そんなに忙しいとなると、運転中なのか?





律《あっ、どうも初めまして律と言います。

浅野理事長に何の御用件でしょうか?》



なんか、若い女性の声が聞こえて来た……


秘書?


いや、でも浅野さんの携帯からって……


まさか……


あ、愛人……!!?



律《あっ、言っておきますけど、浅野理事長の愛人とかじゃないですからね、誤解しないで下さい!》



安室「は、はあ……」



僕が考えてること、分かったんだ……




安室「あ、あの、Aさんのことですけど……」



律《その件でしたら、私達も追ってるので大丈夫ですよ。

では、忙しいので切らせて頂きます。》



安室「えっ、ちょっと!!」



その直後、物凄いスピードで走るバイクと、それを追いかけるかのよう走る黒い外車が横切って行った。



何だったんだ、今のは……

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作者名: | 作成日時:2019年6月10日 20時

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