10.これは誘拐？ ページ20
沖矢side〜
第一印象は、似ているだった。
誰に似ているのかと問われれば、もう随分と会っていない母親の姿が浮かんだ。
容姿は違うのだが、隣を一緒に歩く彼女の口調が、どことなく母に似ていた。
何だか懐かしく思えて来る。
確か最後にあの母親に会ったのは、アメリカに行く前だったか。
沖矢「着きましたよ。」
ショッピングセンター内の洋服屋さんに着いた。
『ここか。
沖矢、助かったぞ。』
見上げる笑顔は、見た目年相応の幼い笑顔だった。
汚れを知らない様な幼子の笑顔。
柄にもなくその笑顔が可愛いと思ってしまう。
『もう、ここまでで良い。』
そう言って、手を離す彼女の手を離すまいと、俺は気が付いたら握っていた。
『沖矢？』
小首を傾げ、不思議そうな顔をしている様に益々俺の精神が持って行かれそうになる。
かわいい……
コホンッ
いけないいけない。
平常心を保たなければ。
沖矢「一人での買い物は危険です。
最近は、物騒な世の中ですから。」
『私としては、貴様が一番危険だがな。』
沖矢「手厳しいですね。」
見た目は子供なのに、このアンバランスな口調……
これがジョディの言う、最近流行りのギャップ萌えと言うやつか。
そう一人納得した。
『仕方ない、沖矢にも付き合ってもうぞ。』
何だかんだで俺の存在を許してもらえた。
これは好都合だ。
なるべく一緒にいる時間を作り、彼女を見ておきたかった。
別に変な意味はなく、ただ坊やの懸念材料である可能性を否定するため。
出来ればあの組織絡みで彼女の存在が上がらなければいいのだが。
『ほれ、これを持っていろ。』
手渡されたカゴを受け取り、片手で持つ。
反対の手は繋いだまま、今度は彼女に連れられて俺が歩く番になる。
小さな体で一生懸命に先導して行く姿に自然と微笑んだ。
出来れば、彼女が白であることを願いたがな。
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壱(プロフ) - 桜猫さん» 少しずつでも更新できるように頑張りますね！ (2019年4月13日 19時) (
レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 更新をちゃんとする人はモテますよ 多分 (2019年4月13日 10時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 桜猫さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けるなんて嬉しいです！ (2019年4月13日 6時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 桜猫は満足感で満たされた (2019年4月12日 22時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 桜猫さん» 限界に挑戦してみました。フラグ立つ寸前？な感じですね。いずれ番外編を作った時には別のお相手でも挑戦してみます。 (2019年4月10日 15時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：壱 | 作成日時：2019年4月6日 19時
