私の意思 ページ44
移動中、私はジンに何て報告すればいいいのかを悩んでいた。
「貴方は何も悪く無いですよ。
そう言う指示で僕も動きましたし。」
「私の悪い知り合いだと思って止めたかったんでしょ。
確かに、私はあの男を知ってるわ。」
「やっぱり……」
今回は情報収集は出来なかったが、きっとジンのことだ。
また同じ仕事を持ちかけて来るに違いない。
けれど、私は情報を手に入れられたとしても、ジンには報告しない。
あるいは、デマを流すだけだ。
ジンからしてみれば、完全なる裏切り行為になる。
だがそれでも、話せないものは話せない。
ブレードチルドレンに関われば、待ち受けるのは死なのだから。
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待ち合わせのバーに到着した。
ここはどうやら来店客の秘密保持の為なのか、全席完全個室のバーだった。
予約者の名前を伝えて、私達はジンの待つ部屋にへと向かう。
再開したジンは機嫌が悪いのか、会って早々に舌打ちをかまして来た。
「情報は掴めたんだろうなぁ、ビジュー?」
「ジン……あの男とどこで知り合ったの?」
「行きつけの店だ。
そんなことより、話せ。」
「嫌だと言ったら?」
「裏切り行為と見ていいんだな、ビジュー?」
私のお腹に押し当てたのは、彼愛用のベレッタ。
全くそうホイホイ危ない物を押し付けないで欲しい。
「残念だけど、貴方じゃ私は殺せない。」
「ほぅ……なら、試してみるか?」
「試すも何も、それはもう決まっていることなの。」
私は素早く右手を動かしジンの持つベレッタを掴む。
驚くジンを他所に、私はそれを自分の頭に当てた。
「これで死ねるなら、どんなに簡単なことか。」
「ちょっと、ビジュー!!」
血相を変えたバーボン。
それに対してジンは無表情で冷静に、私を見ていた。
まるで、何かを待つ様に。
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作者名:壱 | 作成日時:2019年1月23日 21時