小話 ページ43
着替えを済ませて部屋の外に出ると、バーボンと合流し、その後ジンと約束しているバーに向かうことになった。
ベルモットからは先に行って連絡があった為、私達はバーボンが手配してくれたタクシーが来るまでロビーで待つことにした。
ソファに座り、対席にはバーボンが座る。
「ねぇ、何で止めに入ったの?」
「それを答える前に、貴方は彼を知ってましたよね?」
「知らないけど。」
「へぇ……」
「何?」
じろじろ見られてる。
まさか、本当は知ってるって、気づかれていたり……
向かいのソファに座っていたバーボンは立ち上がると、私のソファに座る。
「ちょっと……」
逃げようと立ち上がるが、後ろから伸びて来た両腕に抱きしめられて、バーボンの方に引き寄せられた。
「離し…「あまり騒いでいいんですか?」」
周りの目がある中で、騒げば厄介なことを分かっていて、けしかけて来たのか。
「彼と顔見知りでしたよね?
しかも、悪い方の……」
密着して来たバーボンは、私の腰を撫でてて来る。
その手を叩こうとするが、手首を掴まれて不発に終わった。
さらにあろうことか、反対の手は背中から回わり、太腿を撫でて来る。
「ん…子どもに、手は出さないんじやないの?」
バーボンをきっと睨むが、彼は笑った。
「自分で言ってたじゃないですか。
もう、子どもじゃないって。」
バーボンの顔が迫るが、私は顔を背けた。
「あの男とはキスをしていたのに、僕とはしてくれないんですか?」
太腿を撫でていた手がドレスの裾をめくる。
「!!」
片手は掴まれている為、バーボンの手を反対の手で止めようとするが、それより早く彼の手が下着に触れた。
その刺激に、びくっと体が震える。
「ビジュー、あの男とどういう関係ですか?」
耳に掛かる吐息混じりの声に、頭がおかしくなる。
まるで、あの時のあの人みたいに……
ムカつく!!
私は肘突きでバーボンにど突いた。
「ぐふっ……」
胸を抑えて蹲る彼から離れて、見下ろす。
「あら、ごめんねバーボン。
ちょっと加減を忘れたかも……」
「くっ…ビジュー、貴方って人は……」
「私、悪くないから。」
屈んでバーボンに顔を近づける。
「次、スケベなことをして来たら……
大事な物を切り落とすからね♡」
にっこり笑顔で返してやれば、バーボンは目が点になっていた。
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作者名:壱 | 作成日時:2019年1月23日 21時