マリア【バーボンside】 ページ41
時は少し前に遡る
ビジューは一体どこへ……
こんなことならビジューに発信機でも付けておけば良かったと後悔した。
広い会場内を見回るが、ビジューとシェフィールドは見つからない。
途中何度か辺りを巡回しているウェイターにシェーフィールドの写真を見せて聞き回ったが、ヒットはゼロ。
まさか二人はもう、会場の外に出たのか？
ベルモットに連絡を取ろうにも、既に彼女も指定の男に付いていて任務中。
仕方ないので、一先ず会場を出ようと決めた。
長い廊下を歩くと途中休憩室にいた若いカップルらしき二人を見つけたので、彼らにシェフィールドの写真を見せた。
どうやらここに来てやっと、足取りが掴めた。
ビジュー達はこの先のホテルに向かったそうだ。
入れ違いに入って行く所を見たと教えてくれたので、僕はお礼を伝えて急いで向かった。
フロントに確認を取り、シェフィールドの写真を見せるが、彼らの居る部屋は守秘義務で教えられないと断られた。
こっちはビジューの安否が掛かっているのに。
仕方ない。
まさかこれを使うときが来るとは……
胸元から取り出したのは偽造した安室透名義の警察手帳。
それを見たフロントボーイは、血相を変えて二人の部屋がいる場所を伝えると鍵を渡してくれた。
その後、急いでビジューのいる部屋に向かう。
頼むから無事でいて下さいよ……
既に血の海とか….…
嫌な考えは無くし、問題の部屋の前に着く。
防音対策が施されているのか、中から音は聞こえないが、僕は鍵を開けて中に入った。
急いで中に進むとそこには、裸のビジューとシェフィールドが抱き合っていた。
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作者名：壱 | 作成日時：2019年1月23日 21時
